第十六話 廃校鬼ごっこ
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ル「・・う、う〜・・・ん・・・?」
気がつくと、割れた窓から見える空はすでに薄暗くなっていた。ていうか、
ル「こ、ここ、どこぉっ!?」
慌てて辺りを見回してみると、倒れた椅子や机。折れたり欠けて床に散らばった色とりどりのチョーク。破れてボロボロになった当番表やポスターが張られている。教室・・みたいね。すると、
グ「ル、ルーシィ・・気がついた、か?」
グレイの声がした。でも、どこにいるの?
グ「気がついたなら・・・は、早く・・退いて、くんねぇ、か?俺と・・・・シンの為にも・・・」
ル「えっ?」
よく聞いたら、グレイの声は少し苦しそう。そう思った時、自分が廃校になった学校の教室の床の上にいない事が分かった。下を見てみると、苦しそうに顔を引き攣らせたグレイと、グレイの背中で下敷きになっているシンがいた。私は二人の上に乗っかっていたの。
ル「えぇっ!!?ゴ、ゴメンゴメン!!」
戸惑いながらも慌てて二人の上から下りる。グレイは痛そうにお腹と背中を摩りながら起き上がる。ようやく動けるようになったシンの顔は少し青かった。
シ「・・ふ、二人は・・・無理・・・・だ。」
そりゃそうよね。私は女の子だから軽いけど、グレイは男だもんね。
グ「おい、大半は俺のせいかよ・・・」
シ「と、とにかく、一刻も早くナツ達と合流して、ここから立ち去った方が身の為だ。」
ナツ達、どこいっちゃったんだろう?その時、スゥーと私の背後を何かが通り過ぎた。背筋が凍り付く。
グ「どうしたルーシィ?さっきのシンみたいに青くなって?」
シ「おい。」
私は壊れたロボットみたいにガガガとゆっくりと後ろを振り返り、ガガガと右手を動かしながら
ル「い、今・・う、後ろを、何かがスゥー・・・って通ったのよ・・・」
後ろを振り返って、指を指した所には夜風でパタパタとはためくボロボロのカーテン。
シ「そのカーテンがルーシィの背中に微かに当たってたんだよ。怖がる事はねぇ・・・」
ピチャ。
シ「えっ?」
シンが言い終わる前に、シンの額に何かが落ちた。薄暗くてよく見えない。
シ「な、何だ?少し、生暖かいな・・・」
シンが額に手を遣る。すると、シンの手にも何かが付いた。それを隣で見たグレイがさっきの私とシンと同じように青くなった。
グ「・・お、おい、シン・・・・そ、それ・・『血』じゃ、ねぇ・・か・・・?」
シ「え・・・」
私も恐る恐るシンの手を見る。確かに、赤黒くて、少し鉄みたいな臭いがする。すると、
ピチャ。
またシンの額に何かが落ちてきた。シンの額から落ちてきたものが流れ落ちる。私達三人は、恐る恐る上を見上げた。すると、シンの真上の天井にだけ、赤黒
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