Development
第二十四話 天照
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ば神格化したといっていい。
そんな彼女に転機が訪れたのは年も明けてしばらくした頃。
世間は男性操縦者の出現に騒然としていた。イギリスも、同年代の代表候補生となるセシリアに学園への入学要請があり、それを彼女は受諾。既に学園への入学は決まっていた。
しかし、セシリア自身はそれほど織斑一夏という存在へは興味を持てずにいた。ISの操縦ができる云々以前に、婿養子という立場ゆえ卑屈になる情けない父の姿を見続けた彼女にとって男であるという事実だけで、どうでもいい存在といえる。もっとも、国の要請がある以上は従う心づもりではある。
そんな彼女がそもそも日本への進学を了承したのはただ一点、紫音の存在だった。いまだ行方不明の彼女ではるが、彼女が生まれ育った地に行ってみたかったのだ。約半年という時を経ても、セシリアの紫音に対する憧れは失せるどころか増すばかりだった。ISに触れれば触れるほど、サラから聞いた紫音という存在がどれだけ凄いかが理解できたからだ。
そんな折、セシリアは紫音の生存と復学を知ることになる。衝撃が走るとともに、彼女は歓喜した。紫音に会うことができる。しかし、今まで行方不明であり、会うことも現状の情報も得ることも出来なかった故に、それはいつしかセシリアの想像上の、憧れの対象である紫音へと姿を変えていた。それが何を齎すのか……。
まず、セシリアが唖然としたことは学園の紫音に対する処置……留年についてである。
操縦者としては学園全体で見てもトップクラスであり、学業としても休学前には一年の範囲は既習であるほど優秀だったと聞く。それだけの人物をたかが出席日数という点でそんな処置をすることがセシリアには信じられなかった。一般的な学校としては普通の処置でも、IS学園はその範疇にはないはずだ。
なら、西園寺という企業の枷がなくなった彼女は代表候補生になるのだろうと思っていたら、その場所に居座るのは専用機作成を後回しにされた少女。彼女の姉はあの紫音にも互角以上である優秀な人物らしいが、その妹である彼女の周囲の評価は今のところ微妙の一言。後に、セシリアはクラス代表すらも彼女に決まったことを知り、より憤慨することになる。
この時点で、セシリアの心中では学園に、果ては日本という国家に対して不信感を抱いてしまっていた。そのことが後々、織斑一夏とクラス代表に関して言い争いをした際に日本を貶める発言に繋がってしまったこと等に無関係ではないだろう。
そして彼女は出会う、この半年憧れ続けた人物に。
さぞかし、紫音はこの自身の評価されない現状にさぞかし不満であろう、そう思っていた。しかし、彼女が見たのは楽しそうに微笑んでいる紫音の姿。
なぜ? 理不尽に留年などという処置をされたのに何事もなかったかのようにニコニコし
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