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とある星の力を使いし者
第139話
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の弦を弾き、調律をする。
そして、眼を閉じ麻生の演奏が始まった。
それは優しい音色だった。
そのバイオリンからは信じられないような優しくて、柔らかい、そんな音色を奏でていた。
美琴や初春や佐天、そして周りにできていた人だかりや通行人も麻生の奏でる音に聞き惚れていた。
数分による、短い演奏だったが麻生が目を開けると周りにはものすごい数の人が集まっていた。
次の瞬間には周りから拍手が送られる。

「す、凄いです!麻生さん!!」

「私、バイオリンなんて一度も聞いた事なかったですけど、何だかとても優しい感じの音色でした!
 何だかもう、とにかく凄かったです!!」

拍手と共に初春や佐天は麻生の演奏を聞いて興奮しながら、感想を述べた。
麻生は手に持っているバイオリンを美琴に手渡す。

「良いバイオリンだな。
 大切に扱えよ。
 それと、遅れて悪かったな。」

「べ、別に・・・・そこまで怒ってないわよ。」

「そうか。
 なら、場所を移動するか。
 人が集まりすぎだ。」

「美琴さん、頑張ってください。」

「白井さんには私の方から伝えておきますね。」

「ありがとう。
 助かるわ。」

「それじゃあ、行くぞ。」

「あっ・・・・」

麻生は開いている美琴の手を掴んで、人だかりの中を掻き分けてその場所から離れていく。
人だかりの中ではぐれないように麻生は美琴の手を強く握りしめる。
それを感じた美琴は頭の中で考える。

(何なのよ。
 急に優しくなって。)

麻生自身、愛穂や桔梗たちと久しぶりに一緒にご飯を食べたので機嫌がいいのもある。
そんな事があった事を美琴が知る訳がなく、顔をさらに赤くしながら麻生に引っ張られていく。












学園都市のとあるオープンカフェ。
そこのテーブルに数人の常盤台の生徒がお茶をしていた。
その一人が学園都市第五位の超能力者(レベル5)であり、能力『心理掌握(メンタルアウト)』を持ち、常盤台中学における最大派閥を率いる少女、食蜂操祈である。
星の入った瞳、背に伸びるほどの長い金髪、長身痩躯、あまつさえ巨乳である。
そんな彼女は今、ぼ〜っと外の風景を見つめていた。
目の前にはエクレアが置いてあるのに見向きもしない。
彼女の周りにいるのは、同じ派閥の生徒だ。
よく一緒にいるので操祈の事は少しばかり知っている。
彼女は普段、自分達の静止を聞かずにエクレアを好んで食べている。
それなのに、大覇星祭が終わってからの操祈は何かおかしい。
現に目の前にエクレアがあるのに、全く見向きもしない。
女王に何かあったのでは?、と取り巻き以外でも学園内でも噂になっている。

(恭介さん、どこにいるのかな。)
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