第五十七話〜Pray〜
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ェイトはビクリと肩を震わす。
『フェイト、君は誰かに認められるために生きているのか?』
ライの瞳が画像越しにフェイトを射抜く。
『これまでの自分に後悔がないのなら、顔を上げろ、前を向け』
その言葉は慰めや応援ではなく、叱咤の言葉。
『自分が成すべきことを成せ。それをしようとするのが“人”だろう』
それだけ言うと、ライは再びヴィヴィオと交戦に入る。
ライの言葉を受け取ったフェイトは俯く。そんな彼女を隣に立つなのは心配そうに、ジェイルはどこか観察するように見ていた。
「……なのは」
ポツポツと床に雫が落ちる。その雫を拭うことなく、フェイトは口を開く。
「ライはとっても厳しいね」
「フェイトちゃん……」
「でも……そんなライを好きになれて良かった」
そしてフェイトは顔を上げる。そこには頬に濡れ跡を残しながらも、とても力強い表情を浮かべるフェイトの顔があった。
「行くよ、バルディッシュ」
『イエッサー』
了承の意と共に、バルディッシュのカートリッジが小気味よい音を立て、消費される。すると、これまで大剣の形を取っていたザンバーフォームが刀身を二つに分け、日本刀を彷彿とするふた振りの剣となる。
「真・ソニックフォーム」
フェイトの口から紡がれる言葉に合わせ、彼女のバリアジャケットも変化する。これまでの制服を連想させるような服ではなく、レオタードのような薄着。それはバリアジャケットの装甲を限りなく減らし、それと引き換えに自らが出し得る最高のスピードを使う為のものである。
その、装甲とのトレードオフを行うとフェイトは静かに構える。
「ジェイル・スカリエッティ、貴方を逮捕します」
静かに、だが確かに紡がれた言葉にはフェイトの覚悟が込められる。
そんな彼女にジェイルは満足そうな笑みを持って答えた。『できるのならやってみたまえ』という意味を込めて。
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