第五十七話〜Pray〜
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いうことになる。
そして、平行世界の観測さえ可能にする莫大な力を持つシステムを運用する程の魔力がそれの運用だけでなく、ギアス所有者のギアスの使用を行う上で魔力を供給しているとしたら。
そしてもし、その魔力の供給をギアスの使用以外の目的で、使用者の“任意”で行えることができるとしたら……
ゆりかご・聖王の間
『ACS』
正式名称、Accelerate Charge System(瞬間突撃システム)。これはデバイスに送られる魔導師の余剰魔力を展開し、それを推進力にすると言うシステムである。
それは基本的に魔力で編まれた翼のような物を展開する。そしてその翼は魔導師の魔力で編まれているため、その色はその魔導師の魔力光と同じになる。
それはACSを幼い頃から使用しているなのは然り、改良したデバイスに組み込まれた物を使用しているスバル然り。
ならば何故、ライの使用するACSは彼の魔力光である白銀ではなくライトグリーンなのか?
それはライがカートリッジ一発分の魔力の消費を最適化し、ACSをライにとって使いやすいように調整した結果そうなったのである。
であるならば、使用者であるライの保有魔力が外部からの供給により、潤沢に使用出来るようになったとしたら――――
「……蒼月、パラディン、何分保つ?」
『ソフト面に問題無し。行けます』
『ハード面に高負荷。限界機動を行った場足、最大稼働は11分27秒』
背中の翼から白銀の魔力が微細の粒子となって空間に散っていく。その翼の持ち主は静かに相対するべき相手を見据える。
「……貴方はなんなの?」
ライを睨みながら、ヴィヴィオは自然と疑問を溢す。
自分が“何故か”憎んでいる彼に。
自分にとって得体の知れない彼に。
「全てを狂わす狂王だよ、聖王」
「……」
自分の求めた答えとは思えないが、何故かその返答は彼女の中でストンと落ちるように受け入れられた。そしてそれと同時に彼に『聖王』と呼ばれる事で、少しだけ悲しみが増す。
「「……」」
無言で2人はお互いに構え、そして再び光が交差する。
ゆりかご・祭壇区画
その部屋にいる全員がモニターを注視していた。
彼らの目に映るのは先ほどよりも速く、破壊的な銀と虹の交差。
そのどこまでも幻想的で、どこまでも苛烈な光景にその場にいる全員が魅せられていた。そんな中、ジェイルが話始める。
「……これ程彼のいた世界に興味を惹かれるとは思わなかった。彼の世界にはこれほどの力を創り出すものが存在するのか」
子供が新しいおもちゃに憧れを抱くような表情を浮かべながら、ジェイルは語る。だがそれはどこか歪な喜悦。見ていて寒気を感じる“何か”であ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ