第1章 悪魔のような聖女のような悪魔
第10話 エターナルロリータ
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最後に、ボク自身。
無尽蔵の魔力に、夜天の書の主という立場。
魔力が大きすぎて、精密な動作が苦手なのは、ご愛嬌だ。
こんなところまで原作に似せなくてもいいのに。
しかしながら、リインフォースとユニゾンしたときこそ、ボクは真価を発揮する。
駒王町をまとめて消し飛ばせる広域せん滅魔法を連射できるといえば、その凄さがわかるだろうか。
ゆえに、ユニゾンは奥の手として、ぎりぎりまで隠すことにしている。
ユニゾンすると、変身魔法が解かれ、幼女姿を曝すことになることも理由のひとつではある――――もちろん、周囲には秘密だ。
「――っていうわけなんだ。正直、実感がわかないけれど、上級悪魔目指して頑張るつもりだ」
「『上級悪魔』ね。領地を手に入れて、女性の眷属でも手に入れようってのかい?」
「うぐッ」
「さすが、八神先輩です。一発で見抜くとは」
「簡単なことだよ、塔城さん。これでも一応クラスメイトだし、彼はわかりやすい性格をしているしね」
「つまり、単純ってことですね。兵藤先輩にもっと言ってやってください」
そんな本心を隠しつつも、『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』の説明を聞いて、
さも、はじめて知ったかのように驚いてみせた。
ドヤ顔の兵藤一誠が若干ウザかった。が、なにせ伝説の装備を手に入れたのだ。
少しぐらい有頂天になったとしても、仕方がないかもしれない。
ボクだって、夜天の書をもっていて、それを誇りに思っているのだから。
「さて、自己紹介はこれでお終りね。さっきも説明したけれど、はやてと家族たちには、はぐれ悪魔の討伐などで協力することが多いのよ。後日でいいから、他の人たちと顔合わせしたほうがいいわね」
「そうだね。ボクたち家族は、グレモリー家の客人扱いになっている。だから、厳密には悪魔陣営とはいえないけれど、基本的には共闘関係にあると思っていい。今後、家族に会う機会もあるだろうから、会った時にでも紹介するよ」
その後、いくつかの決まりごとや他愛もない雑談をしてから、お開きになった。
教会を監視しているサーチャーからは、アーシアの様子が送られてきている。
やはりというか。あまり扱いはよくないようだ。
なんとかしてやりたいが、グレモリー家の客人であるボクでは、
堕天使に干渉して、戦争のきっかけをつくることになりかねない。
原作知識のとおりなら、堕天使の総督であるアザゼルは戦争否定派だ。
が、コカビエルのような戦争狂もいる。迂闊に動くことはできない。
――――偽善かもしれないが、ボクは、ボクにできる限りのことをしようか。
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