☆規格外達
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
りを含ませた表情で眼前の少年を見ている。真っ黒な空間に鎮座している少年を。
―――
「へぇ……」
セイバーが、笑う。その笑みは聊か以上に虚勢を含んだものだが、浮かべられるだけ上出来だろう。
「……マスターとマダム、あいつは、お前らを守りながらじゃ勝てない。逃げろ……って言いてーが、逃げるのも無理だろうなこりゃ」
対峙する決意を固めたのか、金髪の少年に剣を向けるセイバーが苦笑する。
「セイバー、ここは何処だ? 相手の固有結界か?」
切継の推測は魔術師としては正しいものだったろう。しかし、この場では余りにも――想像力が足りなかった。
「あぁ? んなワケねーだろ。上位宇宙だよ上位宇宙。何したのか知らねぇがバーサーカーの野郎、宇宙ごと不粉砕しやがった」
「……馬鹿な」
絶句している己のマスターを放置し、周囲を見渡す。まさか開幕直後に宇宙崩壊とは恐れ入った。
「おい、ライダー、でいいんだよな? そこのロボット」
一番近くにいたライダーへ対しセイバーが口を開く。眼前の最悪を倒す為に。
「……なんだ」
「共同戦線だ。バーサーカー、潰すぞ」
それは一目でわかる程に彼の敵が脅威だから。そして放っておいたら拙いことを直感で悟っているから。
「おう」
セイバーから共闘を持ちかけられ、即答。考えるまでも無い。
「わたしも、入れてください。彼を止めなきゃ」
アーチャーもセイバー、ライダーと共闘する道を選んだらしい。バーサーカーへと弓を向ける。
「では、私は少ない方に」
アサシンは、面白そうに口を歪め、バーサーカーの隣に立った。
「……消えろ」
瞬間、バーサーカーの殺意が、アサシンに飛ぶ。幾つもの世界を消滅させて余りある直撃を受けても、アサシンは堪えた様子を見せない。それも当然だ。本気の一撃ならいざ知らず、余波程度の殺意で葬られるような、そんな脆弱なアサシンでは無い。
「まぁまぁ、仲良くしましょうよ。彼らを倒したら、私を倒せば良いじゃないですか」
「お前らに」
「――――」
バーサーカーとアサシンが殺伐とした会話を繰り広げる中隣に無言のキャスターが浮いている。眠っているかのように意識の無い。通常、彼女のような行動不可なサーヴァントは即座に倒されるのだろうが、今回はそれが無かった。アサシンは意思の無い、キャスターのような存在になど興味は無く、バーサーカーにとってもそれは同じ。いないも同然な彼女に好き好んで意識を割く必要などない。他の三体はバーサーカーとアサシンに精一杯でキャスターに目を向ける余裕など無い。
「征くぞ、お前ら!!」
「「応ッ!!」」
「はいっ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ