☆規格外達
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ないことに落胆する。
「なんだ、つまんないの」
そう言ってから、おかしなことだと苦笑する。「何かが起きる」だなんて、なんで自分は思っていたのだろう。
「でも、ちょっと無駄につかっちゃったなぁ、勿体ない」
明日あたりにまた材料を見つけてこなければ。この楽器を作るには臓器が足りない。などと思い後ろを振り向いて――
「なっ!?」
扉の前に、ソファーがあった。いつの間にか、だ。元来そこにはなにもおいていなかった筈だ。そこに座るのは一人の少女。病的なほど白い肌は血の巡りを全く感じさせない。長い髪は無造作に垂れており、目を閉じている。
「……」
「?」
喋る気配が無い様子の彼女に、龍之助は面食らう。これだけの美少女だ。さぞかし声も美しいのだろうと期待していたのに。しげしげと眺めているうちに彼女の指に目がふと止まった。それが何故かはわからない。とても彼女に似合うように見えて、その実、似合わないようにも見える。そんな指輪がほんのりと、光った。
「……」
彼女は、語らない。意識の無い様子の彼女を見ているうちに、龍之助の中のどす黒い感情が鎌首を上げる。
「あぁ」
――――解体したい。
そう思ったと同時に、彼は消失した。龍之助、という存在は痕跡すら残らずあらゆる世界から消え去った。後に残るのは、意識を失っている少女のみ。
「されど汝はその眼を混沌に曇らせ侍るべし。汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手繰る者――」
強大な魔力が吹き荒れる。蟲が、自身の身体を食い尽くす感覚。
「……!! いかん、雁夜やめろ!!」
臓現が何か言っているが、今の雁夜には気にしている余裕などない。
「…………」
「はぁ、はぁ……」
煙の奥に一人の少年が居た。金の髪と褐色の肌。そして額に第三の眼。自身がサーヴァントを呼び出せたことに、雁夜は歓喜し臓現に勝ち誇る。
「やったぞ!」
それが、彼の最後に発した言葉。
「煩い」
それが、彼が最後に聞いた言葉。バーサーカーが言葉を放った。たったそれだけで、造作も無く、既存の宇宙は崩壊する。
「これは……」
「なんだ。なんだよおい!! ライダー、どうなってんだよコレぇ!!」
ウェイバー・ベルベットは目の前で起こった事態を認識できずに絶叫する。サーヴァントを呼んだら巨大なロボットが現れて、その瞬間に世界が黒くなったのだから。
「小童黙れこっちに来い!! 九郎、来るぞ!!」
言うが早いか、少女がロボットの中から出てきて彼をロボットの内部に強引に連れ込む。
「何だ、コイツは……!!」
コクピット内部には男が一人。焦
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