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迷子の果てに何を見る
第四話
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け物なん「それ以上言えば殺すぞ」っ......」

レイトの態度が一変として変わる。殺意が垂れ流しになり殺されると思った。
しかしそれもすぐに収まる。

「もし、ラークが家畜の豚だったとしよう」

「.......ああ」

「家畜の豚からして人間はどう見える」

レイトが言いたいことは分かった。
豚から見れば人間は化け物だ。
何も言えなくなる。

「ふむ、どうやらオレが言いたいことは伝わったようだ。ならラークには一つの情報と一つの技を見せよう。化け物とは理性を持ちながらに誰かを己の欲望の為に蹂躙するものだ。そしてこれが私が編み出した技だ。一度しか見せないぞ。左手に魔力、右手に気。合成」

その後何が起こったのか分からなかった。一瞬にして持っていた剣をおられ、仲間たちも魔法触媒を壊され意識を刈り取られていく。

「これがオレが編み出した咸卦法だ。今まで誰も出来なかった、気と魔力を使った肉体強化技。心を空にし、同等量の魔力と気を合成することでできる」

すごいと思った。今まで誰も出来なかったことを彼は簡単にやってのけてしまった。

「今のラークになら出来る。やってみろ」

無理だと思う自分がいる。だが彼の言う通りなら出来ると思う自分がいる。
そして僕は彼の説明通りに動く。

「左手に魔力、右手に気」

途端体が軽くなった。何が起こったのかすぐには分からなかったが、これが咸卦法何だと理解できた。

「これで能力的には同じ土台に立てたな。こいよラーク。此所からが本番だ」

その後、どうやって戦ったかは覚えていない。意識を手放す直前に聞こえて来たのは彼の、いや彼らの思いそのものだった。

「オレたちは悪だが、誇りある悪だ。誇りある限りオレたちは化け物ではない」

今なら分かる。彼らなんかより盲目的に正義を語る僕たちの方が化け物だ。






side out






side エヴァ




「全く貴様は何を考えているんだ。あんな奴に説教こいて咸卦法まで教えて」

本当に意味が分からない。いきなり絶対に手を出すなと言った途端ラークとか言う男の前に立ち説教を始めるなんて誰が予想できるか。しかも咸卦法という世紀の発明を簡単に教えて何の得があるというのだ。

「あの呪いってね、解呪したり威力を弱める方法ってもの凄く簡単なんだ」

「?」

「死者の魂を弔うか、目を反らさない」

「つまり正義バカどもでは絶対に解呪できないということか」

「けどラークは目を反らさなかった。彼はこれから本当の”立派な魔法使い”になれると思ったからこそあんな説教をしただけさ」

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