スーパーロボット大戦OG外伝
0498話
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マオ社に忍び込み、ブラックホールエンジンの実物と各種データを盗み出した翌日。意外な事にセレヴィス・シティは大騒ぎになっていた。
いや、もちろん天下のマオ社だ。現在はイスルギ重工に兵器産業のトップを奪われているとは言っても、ヒュッケバインやゲシュペンストのようなPTを開発、製造した業績はそれこそ歴史に名が残るレベルの偉業ではある。そんなマオ社なだけに、てっきり侵入者捜しに関しては警察やら何やらを使うにしても秘密裏に行うと思っていたのだ。だが、朝に起きてみればニュースではマオ社に侵入者があり、機密情報を盗み出して破壊工作も行ったと大々的にニュースで報じられていた。
ホテルの窓から外へと視線を向けると、そこには幾人もの警察が忙しく走り回っているのも見える。
さすがにブラックホールエンジンの実物が盗まれたというのは公表してはいないものの、それでも侵入者があったというのを隠さないとは意外だった。……そうも思ったのだが、ニュースやら部屋に届けられた新聞やらをみると従業員の全てに口止めが出来なかったらしい。そこから情報が漏れて隠し通すのは不可能だと判断し、バルトール事件との関連性も疑われる為に公表した……というのが正しい所だとか。
「どうだ? 時の人になった感想は」
俺の部屋でルームサービスで頼んだ朝食をムラタと共に3人で食べていたスレイが悪戯っぽく声を掛けてくる。
その視線の先にあるのはTVで、当然マオ社に対する侵入者や破壊工作のニュースを放映していた。画面にはマオ社の正面玄関が映っており、ニュースキャスターらしき人物がバルトール事件との関係云々、ノイエDCの残党云々と告げている。
「俺は必要な物やデータを入手する為に侵入しただけだからな。別に時の人とかになりたかった訳じゃないさ。それよりも朝食を食べたら出発するぞ。一応まだ時間に余裕はあるが、早めにヘルゲートまで移動しておきたいからな」
「……兄様がいるのだな、そこに」
「ああ。ハガネの中にな。それでどうするんだ? 結局スレイは殆ど済し崩し的にシャドウミラーに所属しているが……」
「今回の件で何とか説得してみる。最悪、腕ずくでも兄様を連れて行く」
千切って口へと運んでいたクロワッサンを皿へと置き、決意を込めた目で俺へと視線を向けてくるスレイ。
「お前がそこまでの覚悟なら構わないが……フィリオをホワイトスターに連れて行きました、病気の治療をして完治しました、けれどもシャドウミラーから逃げ出しました。そんな風になったりしたら俺がどういう行動を取るのかは……言わなくても分かるな?」
「……ああ」
昨日の運動場で行った模擬戦が効いているのだろう、真剣な表情で頷くスレイ。実際にそんな事になったら殺すというのは行き過ぎかもしれないが、ある程度の枷を嵌めざるを得ない
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