暁 〜小説投稿サイト〜
ネギまとガンツと俺
第22話「南の島」
[9/9]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
の暗澹たる気持ちも忘れて「うわぁ」と子供のような反応を見せる木乃香。それを端目に見やりつつ、タケルも穏やかな顔で水平線を見つめる。

「きれぇー」

 自然と漏れるため息に、タケルも「ああ」と頷く。

 海が岸を打つ。風が耳元に優しく揺れる。鳥の声が小さく届き、彼等の心を落ち着かせる。

「……」
「……」

 沈黙がお互いにとって心地よかった。

「なぁ、タケル先輩?」
「む?」

 お互いに視線は水平線の彼方へと向けつつ、言葉を交わす。

「……ウチは気にせぇへんから、せっちゃんとかアスナ、ネギ君たちと一緒にプールに行こ?」

 ――きっと、みんな何も言わんと遊んでくれるで?

 傷の理由を聞くでもない。意味のない同情をするでもない。ただ、前向きに明るく、一緒に遊ぼうという言葉。

「……ああ」

 優しすぎる彼女の言葉に、タケルはフッと頷いた。




 その後、ネギとアスナの騒がしい声が聞こえ、仲直りしたことを悟った二人はさらに笑みを浮かべたのだった。


[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ