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ネギまとガンツと俺
第22話「南の島」
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が、変化はない。どうやら本当に海に入りに来ただけらしい。

 ――なんで皆と海に入らんかったんやろ?

 考えても、木乃香にわかるはずもない。

「……ふぁ〜、ウチも寝よかな」

 欠伸をかみ締め、部屋に戻ろうとしたとき、タケルが動いた。

「ん?」

 海から出て砂浜で座り込み、水平線を眺めるように視界を海に向けている。

 明るくなってきた空の伴い、タケルの姿も徐々に浮き彫りになっていく。その背中を視界の端に捉え――

「――っ!?」

 息を呑んだ。

 背中に見える大量の傷痕。

 ――これが、先輩が一緒に入らん理由なん? ……なんで、あんな傷?

 一切知らないタケルの私生活。知っているのは街で迷子を助けているときに見かけた時と、ネギの弟子入りテストの時だけ。

 女子を色目で見たりしない。質問には丁寧に答える。授業に笑いは一切ない、むしろつまらないくらい。

 高校生のようで、先生。

 無口で無愛想。普段は大人みたいだが、たまに笑うと子供っぽい。

 そんな、一風変わっているけど、優しくて立派な人。

 それでも。

 いや、だから……だろうか。

 普通に人並みに幸せな人生を送っていると、当然のように思っていた。

 あの背中に残された傷痕は一体、何を物語っているのだろうか。何があったのだろうか、どんな過去を歩んできたのだろうか。

 木乃香の頭はただ、それだけで一杯になっていた。

 別に、タケルのことが恐くなったわけではない。避けたくなったわけでもない。ただ、少しでもタケルのことを知りたくなった。

 京都での風呂場、はからずしもタケルの裸を覗いてしまったアスナや刹那と同じような心境なのだろう。

 知らず、木乃香は声をかけていた。

「タケル、先輩?」

 名を呼ばれ、恐る恐るといった様子で振り返る。

「……近衛さん?」

 無言で頷き、タケルの体を見てさらに絶句。背中と同様かそれ以上。腕や足、腹部や胸板。いたるところに傷があった。

 その視線に気付き、タケルは困ったように頭をかく。

「……出来れば忘れてくれるとありがたい」
「で……でも――」
「――ほら」

 彼女の言葉を遮るように海に指を差した。

「……?」

 つられて顔を指の差すほうに向けた。

 澄んだ海が真っ青に広がり、ソレとは別種の、だが確かに真っ青な空が澄み渡り、海との境界線を曖昧に見せる。

 その境界線に割って顔を見せつつあるのが太陽。徐々にそして僅かにその顔を大きく覗かせ始めていた。

 赤く燃える太陽が澄んだ空と海とを明るく染め上げ、先ほどまでとはまた別種の清清しい景色をかもし出していく。

 先ほどまで
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