第22話「南の島」
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はスクール水着で、まだ安心して目を向けることが出来る。
「何か用か?」
本当に検討もついていない彼に、木乃香がほんわかと言う。
「今から、うちらでビーチバレーするんやけど……」
「……?」
その言葉に、一瞬だけ考える素振りを見せて、だがすぐに何かに思い当たったのか、大きく頷いた。
「荷物番か?」
本気で尋ねるタケルに「何でそうなるんですか!?」とアスナが元気に突っ込みを入れる。
「だから……先輩も一緒に遊びませんか?」
木乃香と同様に恥ずかしそうに言うアスナがめずらしく、しおらしく尋ねる。
「……遊ぶ……俺と?」
まるでショックを受けた様子に「あ、やっぱり駄目ですか?」とアスナたちが肩を落とす。それを見たタケルは、慌てて首を振る。
「い、いや。そんなことはないが」
――俺でいいのか?
最後の言葉は声に出さず、胸の中で収まった。
「ほら、タケル先輩って結構気さくでしょ?」
「アスナの言うとおりやったわー」
「そうですね」
彼女達にはタケルを拒否するような色は一切みられず、気付かないうちに彼は微笑んでいた。
せっせとビーチバレーの陣地設営に入りだしたタケルたちを見つめる三人の陰があった。
「むむ、タケルさんがいないと思ってらアスナたちと……」
「どうする? これじゃ、折角あたし達とネギ君で直接誘った意味ないよね」
「ん〜、あたし達も混ぜてもらう?」
3−Aチアリーダーズの3人組。椎名 桜子、釘宮 円、柿崎 美砂がコソコソと顔を合わせる。実はこの三人、タケルと遊ぶことを楽しみにしていたりする。
というのも、タケルが街で不良に絡まれていた時のことを見ていたのだ。
それ以来、別に恋愛感情があるわけでもないが、単に仲良くなってみたいという中学生らしい好奇心が彼女達をウズウズとさせていた。
「えー、でもタケルさんを独占してみたくない?」
「じゃあ、また後で誘ってみる?」
「そうだね、そうしよっか?」
ゴニョゴニョと相談する。
「……よし!」
終わったのか、一斉に頷き、顔をあげた。
「じゃあ、夜にタケルさんの部屋に行く方向で!」
「「おっけー!」」
とりあえず、夜まで待つことを決めた彼女達だった。
設営は既に終わりを迎えようとしていた。
網を張るだけの簡単なものだったので、時間もあまりかかっていない。
「……アスナー」
作業も無事に終了し、一段落がついた時だった。フと木乃香がアスナに声をかけていた。
「ネギ君、もう許してあげたら?」
「わ、私の勝手でしょ」
プイと首をそむけるアスナだったが、丁度その先でタケルと
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