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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百四十五話:獲得の痛み
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結構、頭痛いんでね。
 後始末を任せてしまうのは心苦しいが、ここはお言葉に甘えさせてもらいましょう!

 私たちが客間に入ったところでベネット先生は扉を閉めて去り、私はそのまま振り返らずにヘンリーをベッドまで運んで。

 支えていたヘンリーごと雪崩れ込むように、ベッドに倒れ込みます。

「……はー、着いた……。ヘンリー、大丈夫……?」

 押し倒してのし掛かるような形になってしまったヘンリーに声をかけながら、顔を覗き込みますが。

「……」

 既に意識が無かったというか、寝てました。

 歩いてる間は一応起きてたと思うが、この一瞬で眠りに落ちたのか。
 歩きながら既に、限界を超えていたのか。

 まあ、でも痛みが酷くて眠れないとかよりは。
 消耗した結果でも、眠れるならいいよね。

 と思いつつ、私も隣のベッドで休むために、一旦起き上がろうとすると。

「……ん?」

 動けない。

 歩く時は片方だけを肩に回していたはずのヘンリーの腕が、いつの間にか両方とも背中に回されて、ガッチリと抱き締められている!

 ……本当に、いつの間に!
 意識してやる余裕があったとは思えないから、無意識か!

 ……まあ、でも。
 たぶんヘンリーのほうが力は強いとは言え、さすがに眠ってて意識が無い状態なら。
 振りほどけないなんてことは

「……あれ」

 なんてこと、ありました。

 ……ほどけない!

 え、そんなに?
 いつの間にか、そんなにも差を付けられてたの!?

 ……いやいや、体勢の問題とかあるし。
 抱き込まれてる私のほうがどう考えても不利だし、そこまで力の差があるわけでは無い、……と、思いたい!

 てか、離せ!!


 なんとか逃れようともがくと、なぜか抱き締める腕に余計に力が込められて全く逃れられず、ただでさえ消耗してたのに暴れたせいで余計に体力を消耗して、私も本格的に眠くなってきて。


「……」

 なんかもう、いっかなー……。

 叩き起こして離させるとかしないともう無理っぽいし、あんなに辛そうだったヘンリーにそこまでしたくないし。
 添い寝だって初めてってわけでも無いし、状態から言ってたぶん私のほうが先に起きるし、仮にヘンリーが先に起きても今さら寝込みを襲ってくるとか無いだろうし。

 ……あとは、靴を!
 靴だけを、なんとか脱ぐことができれば……!


 抱き締めてくる腕から逃れることは諦めて、最後の力を振り絞って足をもぞもぞと動かし、なんとか自分の靴を脱いで、ヘンリーの靴も脱がせることに成功して。

 ヘンリーの靴をベッドから蹴り落としたところで力尽きて、ヘンリーの腕の中で私も眠りに落ちました。
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