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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百四十五話:獲得の痛み
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言わないでください!!それより、どこか休ませる場所をお借りできませんか?ここでは、ちょっと」

 ベッドを貸してくれとまでは言わないが、このケムリの立ち込める実験室で休ませるのは、ちょっと。
 治るものも治らないっていうか。

 私の問いに先生がハッと我に返り、咳払いして答えます。

「そ、そうじゃの!こんなこともあろうかと、客間のベッドを整えてある!そこで、休ませるが良い!こっちじゃ!」
「ありがとうございます!……ヘンリー、立てそう?」

 また静かに、ヘンリーに囁きかけますが。

「…………ひ、とり、で、歩、ける、から……!!離、せ……!!」

 真っ赤な顔で、と言っても顔自体は抱え込んでるのでほとんど見えないのですが、ともかく真っ赤になって怒ったような口調で言われます。

「一人とか無理でしょ、どう考えても。いいから掴まって」

 ヘンリーの腕を自分の肩に回して、支えながら立ち上がろうとしますが。

「……」

 真っ赤な顔で黙り込んだヘンリーに、無言で抵抗されます。

 なんだ、何が気に入らないんだ。
 私のことは無理矢理お姫様抱っこしたりなんかする癖に、私には肩を貸されるのすら嫌だとでも言うのか。

「……肩を貸されるのが嫌なら。抱いていってあげようか?お姫様抱っこで」
「……!」

 無言のまま、ヘンリーがピクリと肩を震わせて。

「……」

 さらに無言のまま、私の肩に掴まります。

「よし、じゃあ行くよ!無理されるとかえって歩きにくいから、しっかりもたれかかっていいからね!」
「……」

 ほとんどヘンリーを担ぎ上げるようにして立ち上がり、先生の後を追って歩き出します。

 私としては必要なら別に、本当にお姫様抱っこをやってみても良かったんだけど。
 ヘンリーからしたら、男の沽券に関わるよね!
 あと私としても、自分よりも圧倒的にガタイのいい男をお姫様抱っことか、ビジュアル的には進んでやりたくは無いし。
 か弱い女性や、子供相手ならともかく。
 優先順位は低いとは言え、絵面ってのもそれなりに大事だよね!


 等ということを考えながらヘンリーを支えて歩き、ベネット先生宅の客間にたどり着いて。

 二つのベッドがある客間の扉を開けて私たちを誘導しながら、ベネット先生が声をかけてきます。

「我が助手よ。回復呪文に適性のあるそなたは、我が助手の助手程には辛くは無かろうが。そなたも、少し休んだほうが良いじゃろう。わしは実験室で、後始末と次の準備をしておるゆえ。そなたの仲間たちにもわしから話しておくゆえ、ゆっくりと休むが良い」
「ありがとうございます。そうさせて頂きます」

 あまりにもヘンリーが辛そうなので二の次になってましたが、実際私も
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