第1章 悪魔のような聖女のような悪魔
第9話 旅は道連れ世は情け容赦してくれない
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
作への影響を恐れて、木場祐斗や兵藤一誠といった原作キャラとの接触を、八神はやてが、控えていたことに起因している。
だが、周囲からは、「面識のない男女3人が、急にお近づきになった」という事実しか分からない。
以上が、教室で渦巻く異様な熱気の正体である。
「ここは『今来たところだよ』というのが、男子のあるべき姿ではないかな?」
「それはすまなかった。僕はそういった男女の機微には疎いものだからね」
他人なんて知ったことねえ、と無視しているのか。
あるいは、注目をうけることに慣れているのか。
廊下で待つイケメン男子こと木場祐斗。彼と相対する三大お姉さまこと八神はやて。
お似合い――――ルックスや学内の評判という意味で――――の二人は、気にした様子もなく会話を続ける。
そんな彼らの傍らで、変態こと兵藤一誠は、周囲から向けられる好奇の視線にさらされ戦慄していた。
事情を知らぬ人間がみれば、なんとも不可思議な光景だった。
「ふむ。ならば、なぜ迎えに来たんだい?それともまさかデートのお誘いなどと、言い出さないだろうね?」
「面白いことを言うね。もし、ここで『実は、デートの誘いに来た』といったら、どうするつもりだい?」
――――なぜ、平気な顔をしながら、地雷のような会話にいそしむことが出来るのか
兵藤一誠としては、すぐさまオカルト研の部室に向かいたいところだった。
だがしかし、せめて要らぬ誤解や邪推をなんとかしないと、大変なことになるだろう――――主に彼自身が。
教室には緊迫した空気が漂っている。
誰もかれもが疑問をもてど、とても口を挟める状況ではない。
必然的に、皆が彼らの会話に意識を集中することになる。
「兵藤くんと三人でデートかい?なんとも、不健全なお付き合いだな。兵藤くんはどう思う?」
(おい、なんてこと言いだすんだ!)
今の今まで、除け者にされていたはずなのに、最悪のタイミングで話題を振られて固まる。
彼は、いつもの明るさが見る影もなく冷や汗をかいていた。
クラスメイトたちから向けられる、様々な感情――――興味、嫉妬、敵意など――――は、見えない重荷となって、彼を押し潰さんとしている。
特に、エロ仲間たちからの視線は、憎悪どころか殺意まで感じられるありさまだった。
「い、いやあそうですネ。八神さんのような女性なら大歓迎デスヨ?」
彼は、無難に返答した――つもりだが、まったく状況は好転していない。
とにかく、居心地の悪さをどうにかしてほしい気持ちで一杯だった。
「そうかい?まあ、冗談は置いといて――」
(ってオイ、冗談なのかよ!?)
「――木
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ