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『八神はやて』は舞い降りた
第1章 悪魔のような聖女のような悪魔
第9話 旅は道連れ世は情け容赦してくれない
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作への影響を恐れて、木場祐斗や兵藤一誠といった原作キャラとの接触を、八神はやてが、控えていたことに起因している。
 だが、周囲からは、「面識のない男女3人が、急にお近づきになった」という事実しか分からない。
 

 以上が、教室で渦巻く異様な熱気の正体である。


「ここは『今来たところだよ』というのが、男子のあるべき姿ではないかな?」

「それはすまなかった。僕はそういった男女の機微には疎いものだからね」


 他人なんて知ったことねえ、と無視しているのか。
 あるいは、注目をうけることに慣れているのか。


 廊下で待つイケメン男子こと木場祐斗。彼と相対する三大お姉さまこと八神はやて。
 お似合い――――ルックスや学内の評判という意味で――――の二人は、気にした様子もなく会話を続ける。
 そんな彼らの傍らで、変態こと兵藤一誠は、周囲から向けられる好奇の視線にさらされ戦慄していた。
 事情を知らぬ人間がみれば、なんとも不可思議な光景だった。  


「ふむ。ならば、なぜ迎えに来たんだい?それともまさかデートのお誘いなどと、言い出さないだろうね?」

「面白いことを言うね。もし、ここで『実は、デートの誘いに来た』といったら、どうするつもりだい?」


 ――――なぜ、平気な顔をしながら、地雷のような会話にいそしむことが出来るのか


 兵藤一誠としては、すぐさまオカルト研の部室に向かいたいところだった。
 だがしかし、せめて要らぬ誤解や邪推をなんとかしないと、大変なことになるだろう――――主に彼自身が。


 教室には緊迫した空気が漂っている。
 誰もかれもが疑問をもてど、とても口を挟める状況ではない。
 必然的に、皆が彼らの会話に意識を集中することになる。


「兵藤くんと三人でデートかい?なんとも、不健全なお付き合いだな。兵藤くんはどう思う?」

(おい、なんてこと言いだすんだ!)


 今の今まで、除け者にされていたはずなのに、最悪のタイミングで話題を振られて固まる。
 彼は、いつもの明るさが見る影もなく冷や汗をかいていた。
 クラスメイトたちから向けられる、様々な感情――――興味、嫉妬、敵意など――――は、見えない重荷となって、彼を押し潰さんとしている。
 特に、エロ仲間たちからの視線は、憎悪どころか殺意まで感じられるありさまだった。


「い、いやあそうですネ。八神さんのような女性なら大歓迎デスヨ?」


 彼は、無難に返答した――つもりだが、まったく状況は好転していない。
 とにかく、居心地の悪さをどうにかしてほしい気持ちで一杯だった。


「そうかい?まあ、冗談は置いといて――」

(ってオイ、冗談なのかよ!?)

「――木
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