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『八神はやて』は舞い降りた
第1章 悪魔のような聖女のような悪魔
第9話 旅は道連れ世は情け容赦してくれない
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 バイサーを倒した翌日。
 兵藤一誠は、木場祐斗、八神はやての傍にいた。
 約束通りオカルト研の部室で、昨日の説明してもらうために、だ。
 ところが――


 放課後の教室は異様な熱気に包まれていた


(……どうしてこうなった!?)





 話は少し前にさかのぼる。


 帰りのHR(ホームルーム)が終わり、クラスメイトたちは、そそくさと席から離れていこうとする。
 その最中、廊下から呼び声がかかった。
 どうやら、先にHRが終わっていたようで、彼は教室の扉の前で待っていたらしい。
 とくに、珍しい光景ではなかったといえる。ありふれた日常だ。

 
「やあ、二人とも。待っていたよ」

 
 その声の主が、女生徒に人気のイケメン男子でなければだが。
 

 しかも、声がかかった人物も大問題だった。
 なにせ、駒王学園の三大お姉さまとして名高い女生徒と、悪名高い変態だったのだから。
 浮いた噂を聞かない美男美女の二人に、変態を加えた3人組。
 奇妙な組合せを前にして、クラスメイトたちが面喰らうのも仕方がないといえよう。


 木場祐斗は、その容姿や言動から、クール系なイケメンとして女生徒に支持されている。
 しかしながら、女性に興味を示さないとして有名だった。数多の女生徒が撃沈している。
 イケメン王子である。


 八神はやては、三大お姉さまの一人である。
 ボーイッシュな性格、女性に優しく、凛々しい姿。
 一部の百合百合しい女生徒に熱狂的な信者をもつのも道理だろう。
 さらに、男性に興味がない、と本人が公言している。
 とはいえ、特定の女生徒と親しいわけでもなかった。


 兵藤一誠は、エロ魔人であり、変態として、女生徒から嫌悪されている。
 おっぱい紳士を自称するオープンな変態である。
 男子生徒には妙な人望があるが、女生徒からは、倦厭されていた。
 つい先日も、他校の女子に告白されたと騒いでいたが、振られたと噂されていた。


――――最近、木場祐斗と兵藤一誠が一緒にいる姿が、よく目撃されるようになったらしい


 掛け算好きな女生徒の間では、攻守のポジションについて、熱い議論が交わされている。
なお、木場祐斗は、寒気を感じるようになったという。
 その話題の人物たちが、ボーイッシュな性格で有名なお姉さまと接触した。
 しかも、イケメン王子こと木場祐斗が、女生徒の帰りを待つなど、入学以来初めてに違いない。
 変態紳士こと兵藤一誠にしても、八神はやてはからは、避けられている節があった。
 三大お姉さまこと八神はやてに至っては、いつも女生徒に囲まれ、木場祐斗と兵藤一誠とは、絡みが一切ない。


 実は、接点がない理由は、原
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