第6話:ハイジャック事件−6
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「そうですね。 犯人グループのうち狙撃手たちはそれなりにトレーニングを
受けたようですけど、優秀な狙撃手とは到底思えませんし」
「話は最後まで聞け。 私がさっき言った性能は銃の物理的な性能だ。
実際狙撃が行われるときには、魔法によって弾道修正が行われる」
「魔法による弾道の修正・・・ですか?」
怪訝な表情のゲオルグが尋ねると、ステラは小さく頷く。
「そうだ。 搭載されているカートリッジシステムはそのためのものだ」
そこでステラは画面に表示された狙撃銃の画像の照準器部分を拡大する。
「カートリッジシステムが搭載されているのは銃本体と照準器の結合部だ。
この内部には魔法を起動するために小型のコアも内臓されている。
カートリッジはその動力源というわけだな」
「AMF/AMFC発生装置やISEと仕組みは同じと理解しておけばいいですか?」
ゲオルグが尋ねるとステラは小さくうなずく。
ちなみにISEとはIS-Emulatorの略でハイジャック事件の制圧作戦でも使用された
IS魔法を発生させる魔道機械のことを指す。
「そうだな。 だが、こちらのほうがより複雑なシステムになっている」
ステラは端末の画面に回路図のようなものを映し出した。
「これは?」
ティアナが眉間にしわを寄せて図面を見ながら尋ねる。
「解析の結果判明したこの銃のシステム構成を図で表したものだ。
詳細はおいておくが、この銃は照準器で目標までの距離・銃本体の角度を
計測し、弾丸が発射されてから目標に命中するまでの理想軌道を計算する。
そして、引金が引かれて弾丸が発射されると銃身内部で弾速や回転速度が
計測されて理想軌道にあわせて修正をするための魔法が起動される、
というわけだ。
これによって有効射程は最大3000mまで伸びると推定している」
ステラの簡潔な説明を聞いて、ゲオルグとティアナはそれぞれに難しい顔をして
考え込み始めた。
しばらくして、床に目を落としていたティアナが顔をあげる。
「ずいぶん手の込んだことをしてますね。
ここまでのシステムを組んでまで長大な射程の狙撃銃を作るくらいなら
それなりのレベルの魔導師を何人か用意する方が手軽だと思うんですが・・・」
「・・・果たしてそうかな?」
ティアナが銃の有効性に疑問を呈すると、ステラはニヤリと笑って返した。
「どういう意味ですか?」
「さあな。 お前はどう思うんだ?」
ステラはティアナの問いかけに対する答えをはぐらかすと、
ゲオルグの方に目を向ける。
「AMFC発生装置やISEを作ろうという発想に至ったお前なら
何か思うところがあるのではないのか?」
ステ
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