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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第6話:ハイジャック事件−6
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ラは鋭い目をゲオルグに向ける。

「そうしたいのはやまやまだが、誰かのおかげで仕事が一向に減らんのでな。
 私自身の研究も含めて考えると、そんな時間はないんだよ」

「・・・・・スイマセン」

思わぬ反論を食らって、ゲオルグは肩をすぼめて頭を下げる。
その様子を見ていたステラは作業の手を止めてゲオルグの方に向きなおる。

「だが、私に研究のための自由な時間と場所を提供してくれたお前には感謝してる。
 だから、そんなに恐縮するな。
 言ってみれば、これはギブアンドテイクの関係だよ。
 お前が場所と金を用意し、私はそれに見合った成果を出す。それだけだな」

ステラはそう言うと、砂糖とミルクをカップの中に放り込み、
スプーンで丁寧にかき混ぜてからコーヒーを飲んだ。

「意外です・・・ステラさんがそんな殊勝なことを言うなんて」

目を丸くしたゲオルグがそう言った直後、その額にステラのペンが突き刺さる。

「お前は一言多いんだよ、このバカが・・・」

ステラは不機嫌そうな表情を隠そうともせずにそう言うと、
コーヒーをもう一口すする。
その向かいではゲオルグがソファに倒れ込んでいた。
そこに、ティアナが入ってくる。

「えっと・・・なにがあったんです?」

ティアナは首を傾げて誰ともなく尋ねた。

「・・・・・気にしなくていい」

ゲオルグは起き上がりながら小さく答えると、ティアナの方を向いて
真剣な表情をつくる。

「それより座ってくれ。 本題について話をしよう」

「はい」

ティアナがゲオルグの隣に座ると、ゲオルグはステラの方に顔を向けた。

「それで、銃の解析結果はどうだったんです?
 カートリッジシステムが搭載されていたというのはティアナから聞きましたけど」

傍らに落ちていたステラのペンを差し出しながらゲオルグが言うと、
ステラはそのペンを白衣の胸ポケットにしまいながら端末をゲオルグたちに
画面見えるように向きを変える。

「そうだな。
 私が預かったときに外見からそれは判ったのだが、
 中身を見てみると思ったよりも厄介な代物だったよ」

ステラは端末を操作しながら話を始める。

「銃は3種類。まずこれが狙撃銃だ」

端末の画面には長い銃身を持つ銃の画像が映し出される。

「有効射程は2000m、自動装弾式で弾倉への装弾数は5。
 まずまず優秀な狙撃銃と言っていいだろう」

「ちょっと待ってください。 有効射程が2000mってことは、
 今回の狙撃は有効射程外から行われたことになりますよ。
 その割には命中率がいいような気がするんですが・・・」

ゲオルグがステラの説明に異を唱えると、ティアナもそれに同調して
話し始める。
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