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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第6話:ハイジャック事件−6
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 ならその件についてはまた別に一席設けることにするよ。
 ティアナにはこれまで調べてきた内容を報告してもらうから、
 そのつもりで準備を頼むな」

「はい、判りました」

ティアナの返事を聞いてから、ゲオルグは自室へのドアを開ける。

「じゃあな」

「はい」

そしてゲオルグは自室へ入り、ティアナはオフィススペースへと歩き出した。





ゲオルグが出勤してから1時間ほど経った頃、ゲオルグの部屋のブザーが鳴る。
いつものように来客者を確認すると、ゲオルグはドアを開けて立ち上がる。

入ってきたのは茶色の髪をショートカットにし、白衣を羽織った女性だった。

「おはようございます、ステラさん」

「ああ。 座っても?」

「ええ、どうぞ」

白衣の女性は小脇に抱えた端末をテーブルの上に置くと、ソファにドカっと座る。
彼女は特殊陸戦部隊の主席メカニックであり、鑑識官でもある
ステラ・ハミルトン博士である。

「それで、今朝はどんな御用ですか?」

「例のハイジャック犯たちが使っていた銃の解析結果が出たのでな。その報告だ」

ゲオルグが2つのカップにコーヒーを注ぎながら尋ねると
ステラはソファの背にもたれかかりながら答えた。

「なら、ティアナも呼ばないといけませんね」

ゲオルグは持っていたカップを自分のデスクの上に置くと、
ティアナに通信を繋ぐ。

『はい、なんですか?』

開かれた通信ウィンドウにティアナの顔が映る。

「今から俺の部屋に来てくれ。 ステラさんから銃の解析結果を聞く」

『わかりました。 すぐ行きます』

通信を終えるとゲオルグは再び2つのカップを持ってソファセットの方に向かう。

「ティアナはすぐに来ますから少し待ってください」

カップをテーブルの上に置きながらゲオルグがそう言うと、
ステラは小さく頷き、端末を開いて操作しだした。

「徹夜ですか?」

ソファを離れてティアナの分のコーヒーを淹れながら、
ゲオルグはステラに尋ねる。

「そうだが・・・よく判るな」

ステラは端末を操作しながら感心したように言う。

「そりゃ判りますよ。 目の下にクマはあるし、化粧だってちょっと崩れてるし、
 髪はあちこち跳ねてるし」

「なるほどな、納得だ」

ゲオルグの指摘に対して、ステラは淡々と返す。
そんなステラの様子を見てゲオルグは小さくため息をつく。
そして、3杯目のコーヒーを持ってソファに座ると、ステラの顔をじっと見た。

「ステラさんはもうちょっと自分の身なりに気を使った方がいいですよ。
 元は美人なんだから」

ゲオルグがクリームだけを入れたコーヒーをすすりながら言うと、
ステ
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