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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
第5話 「管理局、到着」
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れた。高町はまだしも、テスタロッサに悟られずにバインドをかける速度からして熟練した魔導師だと分かる。

「時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ」

 やっと管理局が来たと安堵にも似た感情を抱いたが、結局今日まで叔母から連絡は返ってこなかった。叔母経由で情報が伝わったというより、先日の次元震が起きたから様子を見に来た。そういう流れのほうが納得できる。
 叔母が大変なのは分かるが……もう少し私生活に時間を割いて欲しい。
 おそらく高町と顔を会わせることになるだろうと内心で諦める一方で、そんな風に思わずにはいられなかった。

「詳しく事情を聞かせてもらおうか?」

 黒衣の少年は高町とテスタロッサの顔を交互に見ながら言った。その矢先、彼に向けてオレンジ色の魔力弾が飛んで行った。それを察した少年は、防御魔法を展開して防いだ。

「フェイト、撤退するよ」

 魔力弾を放ったのはテスタロッサの使い魔だった。
 少年はデバイスを使い魔へと向けて魔力弾の生成にかかったが、後方に高町がいることに気が付き、即座に広範囲の防御魔法に切り替えたようだ。防御魔法が展開されると、すぐさま魔力弾が雨のように降り注いだ。
 バインドが解けたようで、テスタロッサが土煙の中から現れる。どうやらジュエルシードの方へ向かっているようだ。その行動は使い魔にとっても予想外だったのか、魔力弾を撃つのをやめた。
 その機を少年が見逃すはずもなく、ジュエルシードへと向かうテスタロッサに3発の魔力弾が放たれた。魔力弾はテスタロッサに直撃し、彼女を吹き飛ばす。

「フェイト!」

 使い魔は血相を変えてテスタロッサの元へと駆け寄り、彼女を抱きかかえた。
 土煙が完全に晴れてデバイスをテスタロッサたちに向けた少年とバインドされたままの高町の姿が現れる。少年は表情を変えることなく、魔力弾を生成し始めた。使い魔は自分が壁になろうと、テスタロッサを力強く抱き締める。

「だめぇッ!」
「ぁ……」
「撃っちゃダメ!」

 少年は高町の声に気を取られた。その隙に使い魔はテスタロッサを抱きかかえて上空へと跳び上がり、転移して消えた。

『クロノ執務官、お疲れ様』
「すみません艦長、片方逃がしました」
『うん、大丈夫よ。詳しい話を聞きたいわ。その子達と彼をアースラまでご案内して』
「了解」
「……彼?」

 どうやらテスタロッサのあとを追うことよりも、高町達から事情を聞くことを優先するようだ。その前に俺にも同行しろと指示があるだろうが。

〔君も一緒に来てもらうよ〕
〔分かっていますよ。そちらに行けばいいですか?〕
〔ああ、そうしてくれると手間が省ける〕

 俺は深いため息を一度した後、少年達のいる場所へと飛んで行った。

「…………」

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