第5話 「管理局、到着」
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るのだから。
だが……あの子は何のためにあそこまで必死になるのか気になる。
これまで見てきた限り、あの子には必要以上の戦闘をするつもりはないように思える。俺に手出しをしてこないことが何よりも理由になるはずだ。
あの子は優しい心の持ち主だと予想できる。なのに……他人を傷つけてでも成し遂げようとする意志がある。彼女の瞳に宿った寂しさが関係しているように思えるが……
「……何を考えてるんだ」
自分から他人に踏み込もうなんてどうかしている。人には人の事情があるんだ。彼女が何を思い、何のために行動するかなんて俺には関係ないはずだ。俺の目的はあくまで街に被害を出さない、出すにしても最低限にすることなんだから。
★
夕方。ジュエルシードの気配を感じていた俺は、高町のあとを追うように海辺にあるコンテナが山のように積まれた場所に向かった。これまでと同様にバリアジャケットを身に纏った状態で離れた場所から様子を窺う。
高町と同じタイミングでフェイトも到着したようで、ふたりはジュエルシードからお互いへと視線を移したようだ。フェイトがデバイスを出現させると、高町も同様にデバイスを出現させる。
「あの……フェイトちゃん?」
高町が顔色を窺うように名前を呼んだ。するとフェイトの表情が変わった――が、それも一瞬ですぐに戻る。
「……フェイト・テスタロッサ」
これまでと同様の展開になるかと思ったが、意外にもフェイトは高町に名乗り返した。高町は嬉しかったのか微笑みを浮かべ、再度話しかける。
「うん……私はフェイトちゃんと話をしたいだけなんだけど」
「ジュエルシードは……譲れないから」
高町に返事を返すのと同時に、フェイト――テスタロッサの服装がバリアジャケットに変わった。
「私も譲れない」
高町もバリアジャケットを身に纏い、デバイスを構えた。
「理由を聞きたいから。何でフェイトちゃんがジュエルシードを集めているのか……何でそんなに寂しそうな目をしているのか」
「……!?」
高町の最後の言葉に驚きに何かが混ざった表情を浮かべるテスタロッサ。だが生じた感情を振り払うかのように、高町に敵意のある目を向けた。
「私が勝ったら……お話聞かせてくれる?」
高町の問いにテスタロッサは答えなかった。フェレット姿の少年やテスタロッサの使い魔も黙って様子を窺っている。
白と黒の魔導師はほぼ同時に走り出して距離を詰め、それぞれデバイスを振った――
「「……!」」
――いや、振ろうとした瞬間に水色の光がふたりの間に落ちた。光の収束と共に現れたのは黒衣の少年だった。
「そこまでだ」
少年が言葉を発したのと同時に、高町とテスタロッサの手足にはバインドがかけら
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