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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第234話】
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「ん……。 えへへ……やっぱり、好きな人に食べさせてもらうって……良いよね……♪」

「そうですわね……♪ 今はこの幸せを噛み締めたいですわ……♪」


 二人して幸せそうな顔をすると、何だか嬉しい気持ちになる。


「じゃあお兄ちゃん。 次は私ね?」

「わ、わかったって……ほら、口を開けろよ?」

「うん♪ あーん……♪」


 小さく口を開け、待つその姿は妹ながらも可愛く、キスを待っているように思えた。

 ……流石に兄妹でキスはまずいと思ったりするが……最近、よく解らなくなってきている。

 皿に置いていたフォークを取るとモンブランを一口切り、フォークに乗せる。 

それを美冬の小さく空いた口に運ぶと、ゆっくりそれを味わう美冬は……。


「んんんーっ♪ ……えへへ、やっとお兄ちゃんが食べさせてくれたぁ……」


 またもパタパタ足を上下させ、モンブランを味わう美冬は嬉しそうな表情を浮かべていた。


「そ、そうだな……。 ……てかやっぱり恥ずぃ」


 ぼそりと呟く独り言だが、他の子の耳には届いていなかった――そして、最後まで待たせた未来が。


「ふふっ、最後は私だからね? ……ありがとう、我が儘聞いてもらって……」


 静かに、聞こえないように未来は一人お礼を言ったが俺の耳に届いていたので、敢えて聞こえなかった様に振る舞う。


「……ほら、未来……」


 皿からフォークを取り、レアチーズケーキを一口切り、手で受け皿を作りながら未来の口元へ――。


「ん……。 ――ん……む……ぅ……」


 そっと小さく開いた口で、切り取ったレアチーズケーキを食べる未来、

 唇に少し付いたチーズケーキを舌で舐めとる仕草が妙に蠱惑的に映り、また熱が上がるのを全身で感じた。


「……ぅん。 やっぱりヒルトに食べさせてもらうってだけで足が変わるね……。 気持ちって……重要だね♪」


 はにかむ未来は、皆と同じ様にその一口一口を大事に噛み締めた。

 ……恥ずかしい思いをしたが、皆が喜んでくれたなら良かったとは思う。

 ……出来れば、最後にしてほしいけどな、これが。
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