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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第234話】
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、美冬、未来が最後って事で」


 そう伝えると、それには納得していたのか素直に頷く四人。

 セシリアからフォークを受け取ると、一口サイズに切り取り、手で受け皿を作りながら口元へ運ぶと――。


「あ、あ……あーん……」

「お兄ちゃん、顔が真っ赤っかだよ?」


 美冬の指摘通り、顔に熱を帯びてるのを感じるがここで止めたらセシリアが悲しい表情で訴えてくるかもしれないので……早く食べてくれないかと切に願う。


「ぁ、む……んぅ……」


 フォークに乗った一口サイズのタルトを食べると、赤くなった両頬に手を添え、ゆっくりと味わっていた。


「……ん。 さ、さっき食べたやつだが味はどうだ?」

「うふふ。 も、勿論美味しいですわよ? ……やはり、想い人に食べさせてもらうタルトはどんなパティシエでも作る事が出来ない甘い想いが詰まってますわ……♪」


 うっとりとした表情を浮かべ、まるでポエムの様な言葉を紡ぐセシリアに、更に俺は顔に熱を帯びるのを感じた。


「ひ、ヒルト? 次は……僕の番だよ?」


 くいくいっと、服の裾を摘まみ、引っ張るシャルは待ちきれないのか俺に言ってきた。

 セシリアはその一口の幸せを噛み締める様に大事に咀嚼していたが――気にはなるが、次はシャルに食べさせないと。


「ちょ、ちょっと待てよ? き、切り取るから……」

「ふふっ、去年までのお兄ちゃんが見たらびっくりするよね、今の状況♪」


 更なる美冬の指摘に、思わず黙って頷いた。

 エロい事は中学から考えたり、エロ本読んだりはしていたものの、女尊男卑の影響やら俺自身が色々した結果、女子に総すかん食らったのだからそれから見ると今の状況がある意味凄い。

 昔の事を思い出しながら、シャルから受け取ったフォークでショートケーキを切り取り、さっきと同じ様に手で受け皿を作りながら口元へ運んだ。


「うぅ……。 あ、あ、あ……あーん……」


 この一連の仕草が物凄く恥ずかしく、しかも美冬や未来が見てるという事もあってか血液が沸騰する思いだった。


「ん……ぁ……む……」


 小さく開けた口で一口サイズに切ったショートケーキを食べるシャル。

 瞼を閉じて味わうその姿を見ると、不思議とシャルと口付けを交わした時の事を思い出した。

 どちらもシャルからだが、あの柔らかな唇の感触は忘れられない――というか、今年の夏はキスばかりだ。

 ラウラに始まりセシリア、シャル。

 臨海学校では未来と、福音の操縦者がお礼にと言って交わしたキス――。

 ……既に、五人の女性と唇を交わしている。

 ……どれだけ節操無いんだよって思うが……。



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