第188話
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奴さんは俺が狙いらしいな。
嫌でも俺に注目が集まるだろう。」
「危険じゃん!
私が行かせると思う!?」
立ち上がり、部屋を出て行こうとする麻生の腕を掴む。
麻生は嫌な顔をせず、ゆっくりと掴んでいる手を解く。
「愛穂、お前達が俺の傍にいると満足に戦えない。」
「で、でも!?」
「安心していいぜい、愛穂先生。
キョウやんの傍にはオレがいるからよ。」
「自分もついて行きます、ここには結標さんと一方通行さんが居ればもしもの時も安全でしょう。」
土御門、海原も立ち上がる。
「安心しろ、今日中には片をつけて帰ってくる。
だから、待っていてくれ。」
愛穂達にしか見せない、優しい笑みを浮かべて麻生は言う。
そんな笑顔を見て止める内容が口にする事ができなくなった。
惚れた男のこんな笑みと言葉を聞いたら止めるなんて選択肢を選べるはずがない。
「分かったじゃん。
けど、約束して。」
「必ず戻ってくるのよ!」
言おうとした事を横から制理に言われてしまう。
続いて桔梗も言う。
「そうよ、ここに居る私達に約束して。
無事に戻ってくるって。」
麻生ならおそらく大丈夫だが、相手が暗部となるとどうしても心配になる。
ついて行きたいが、確実に足手まといになるのは分かっていた。
出来る事と言えば口約束を結ばせる事くらいだ。
「ああ、必ず戻ってくる。」
三人の頭を優しく撫でながら彼は約束する。
部屋を出て、辺りを警戒しながら寮を離れていく。
「薄々だが、相手の狙いは分かっている。」
「聞いても良いですか?」
「俺の能力使用時間切れ。」
「使用時間?」
能力使用時間についての説明を簡単にする。
「どうしてそう思うのですか?」
「『六枚羽』や機動鎧を使って倒せなかったんだ。
普通は引いて策を考えるがそれをせず、断続的に仕掛けてきている。
確実に能力を使用させるようにしてな。」
「それじゃあ、相手は。」
「多分、これからも能力を使用せざるを得ない状況を作ってくる。
愛穂達を狙うもの確実に能力を使わせて、使用時間を減らす為だろうな。」
これなら関係ない愛穂達を狙う理由になる。
気になるのはどうして能力使用時間について知っているのかという点。
知っているのはごく限られているはず。
「残り使用時間は?」
「二〇分ってところだな。
〇時を超えないとリセットされない。」
「お天と様はまだまだ元気だぜい。
耐えきれるか?」
「俺が無策で能力を使うと思うか?」
そう言う彼の手には一本の木製の杖が握られている。
長さは三〇センチほど、そ
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