第188話
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「だな、お前ら荷物持っていろ。」
制理の質問に土御門と麻生は特に言葉を交わさず、分かったように話す。
海原も分かっているのか黒曜石のナイフを取り出す。
愛穂は警備員の経験、桔梗は裏世界で培った経験でこれから何かが起こると何となく悟り、言われた通りに荷物を手に取る。
それに倣って、制理と打ち止めも荷物を手に取った。
瞬間、乗っていた車が爆発した。
原因は、外から学園都市製の対戦車ミサイルが飛んできたからだ。
車は跡形もなく吹き飛び、轟々と炎が燃えている。
「何とか誤魔化せたか?」
少し離れたビルとビルの間の裏路地で跡形もなく吹き飛んだ車を見ながら土御門は言う。
彼だけでなく路地には運転手の青年も含め、全員無事だ。
麻生の能力で全員を近くの路地に転移させたのだ。
ミサイルが飛んできて、車が破壊された現場には野次馬が集まっている。
「すぐに生きているって気づくだろうな、早く場所を移すそう。」
「ですね、君は戻っていいですよ。」
海原に言われ、青年は走って逃げていく。
どうやらさっきの攻撃を見て完全に怖気ついたのだろう。
「どうして、あの場で攻撃してくるのは分かったの?」
さすがに慣れてきたのか桔梗は特に慌てず聞いてくる。
「下位組織を使っている以上、どこかで必ず見つかる。
あの車を用意した時点で、他の暗部の耳に入っていただろうぜい。」
「この戦いは垣根帝督を倒すのが目的です。
しかし、貴女方を守りながら戦うのはかなり厳しい。
ですので、下位組織は動かさず自分達の足で彼らを追い詰める必要があります。」
「そういうことだ。
さて、どこへ向かうか場所は決まっているのか?」
「もちろんだぜい、それじゃ行こうか。」
土御門を先頭に二〇分ほど歩くと。
麻生は見慣れた通路や住宅地が見えてきた。
(まさか・・・)
嫌な予感がした。
こういう嫌な予感は外れた試しがない。
「着いたぜい、とりあえずここで話を・・・ぶふぁ!?」
話している途中の土御門を全力で横腹を麻生は蹴った。
蹴られた個所を押えながら土御門は涙目になりながら言う。
「な、何するにゃー!」
「何をするかじゃない!
ここは俺と当麻とてめぇが住んでいる寮じゃねぇか!」
見慣れた、というより最近は掃除をしに来るために帰ってくるくらいだが自分が住んでいる寮を指さして麻生は声を荒げて言った。
「いやー。灯台下暗しという立派な策だぜい。」
「他の住民が巻き込まれるぞ、それでもいいのか?」
「大丈夫ですよ、ここには人払いをかけています。」
後ろで海原が笑顔を浮かべて小声で話しかけてくる。
「少
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