第五十一話 文化祭開幕その二
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「あいつの関係者以外でな」
「じゃあ私もですね」
「ああ、部長って言ってるもんな」
「やっぱり駄目ですか」
「ああ、いいよ」
軽音楽部の部員ならというのだ。
「正直あいつと文化祭とかで絡むのは懲りたからな」
「部長さんってそんなにお酒強いんですね」
「だからうわばみなんだよ」
その域に達しているというのだ。
「だからいいからな」
「そうなのね」
「そうだよ、じゃあな」
それでだと言ってだ、先輩は琴乃にあらためて言った。
「串焼きだけ買ってくれよ」
「食べることはいいんですね」
「どんどん食ってくれよ、肉は大量にあるからな」
先輩は爽やかな笑顔で言う。
「それに美味いからな」
「牛肉ですね」
「ああ、たれも用意してるよ」
それも既にというのだ。
「楽しみにしておいてくれよ」
「わかりました」
こうした話もした、皆文化祭の準備に追われ活気に満ちていた、琴乃はその活気を見回って楽しい気持ちになった、そして。
旧校舎の自分達の居場所になっているクラスに入るとだった。
そこにクラスメイト達がいた、そうしてだった。
クラスメイトの一人が琴乃にこう言って来たのだった。
「晩御飯食べた?」
「晩御飯ってまだ四時位よ」
早いというのだ。
「まさね」
「そうなの、まだなのね」
「そう言うあんたはもう食べたの?」
「まだよ」
彼女もだというのだ、言った本人も。
「どうしようかって思ってたけれど」
「幾ら何でも早いから」
だからだというのだ。
「もう少し後にしましょう」
「じゃあ五時位かしら」
「六時でいいんじゃないかしら、クラスのことは全部終わったわよね」
「ええ、全部ね」
それは終わったというのだ。
「だからすることがないから」
「晩御飯食べようって言ったの」
「そうなの」
「けれど早過ぎるわよ」
四時で夕食はというのだ。
「だから今はね」
「ううん、じゃあ何しようかしら」
「トランプでもする?」
別のクラスメイトがここでこう提案してきた。
「そうする?」
「トランプ?」
「そう、トランプね」
言いながらだ、そのクラスメイト達は琴乃達の前にトランプを出してきた。キングやクイーンの絵もそこにある。
そのトランプのカードを見つつだ、琴乃はそのクラスメイトに尋ねた。
「それで何をするの?」
「ポーカーでどう?」
それをしようかというのだ。
「それね」
「ポーカーねえ」
「そう、ポーカーね」
言いながらだ、トランプのクラスメイトはカードを切りだしていた。
「それでどう?」
「いいんじゃない?」
晩御飯を言い出したクラスメイトはそれでいいと答えた。
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