第六十八話 集う女神達その六
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「日本は料理の味もいいのね」
「食材が素晴らしいです」
「確かにお家は狭いけれど」
「他の部分はギリシアに負けてはいませんね」
「とてもいい国です」
聡美も自分が作った料理を食べながら微笑んで応えた。
「ずっとここにいたい程です」
「そうね、ただね」
「それはですね」
「残念だけれど出来ないわよ」
アテナは聡美に顔を向けてこう述べた。
「それはね」
「はい、私達はギリシアの神々ですから」
「本来の居場所はギリシアよ」
地中海にあるこの国だというのだ。
「瀬戸内海ではなくエーゲ海にある国よ」
「そうですね。やはり」
「このことが終わればね」
ギリシアに戻らなくてはならない、絶対にだというのだ。
「そのことはね」
「わかっています」
聡美は残念さを押し殺してアテナに答えた。
「そのことは」
「そして終わらせる為に私達を呼んでくれたのね」
「はい」
その通りだとだ、聡美はアテナの今の問にははっきりと答えた。
「是非御願いします」
「実はね」
アテナはパンを食べながら話す、メインである鶏肉のソースにパンを付けてそれで皿を拭き取る様にして食べている。
「私達も待っていたの」
「そうだったのです」
ペルセポネーも言う、彼女もまたアテナと同じ様にしてパンを食べている。
「セレネー姉様をどうか止めたいと」
「思っていました」
「そうだったのですか」
「ええ、ただ貴女は全部自分で何とかしようとしていて」
「私達に声をかけて下さいませんでしたから」
「違う力のことにはね、私達は自分達から動けないから」
「ですから」
動けなかったというのだ、二人も。
「この時を待っていたわ」
「神話の頃から」
「そうだったのですね」
聡美も二人の話を聞いて呟いた。
「お二人も」
「姉様は間違っているわ」
クールだがそれでも悲しいものを漂わせてそのうえで聡美に告げた言葉だった。
「剣士達を戦わせその力で愛する人を神にするということは」
「お姉様もそう思われていましたか」
「確かに彼等は罪を犯したわ」
十三人の剣士、彼等は全員だというのだ。
「けれどそれは神話の頃の話よ」
「今ではないですね」
「魂は同じでもその人格は違うのよ」
魂は不滅だ、だが他のものはというのだ。
「身体も全てね」
「その人生ごとで」
「神は死なないわ」
それに力もある、だがだというのだ。
「けれどそれだけよ」
「神だからといって。罪を犯した人を何時までも利用することは」
「間違っているわ」
アテネもこう思っていた、そして考えていた。
「私から見てもね」
「そうですね」
「私もそう思います」
ペルセポネーも答えた。
「セレネー姉様は」
「私はそう思いこれまでお姉様
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