反董卓の章
第19話 「「「 負けるな、バカァ! 」」」
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模造品。
一刀は、生まれついてから膨大な精神力を持っている。
それは日本生まれの両親が、第二次大戦時に捕虜になり、生体改造を受けた超能力者同士の子供だからだ。
その力はサイキックエネルギーを研究してきたドイツと、その技術者を引き抜いたソ連にとって、格好の実験体だった。
だが、冷戦も終わりを迎えようとしていた時期でもあり、ソ連の崩壊の予兆が現れる頃でもあった。
予算が削減され、一刀という実験体を失っては計画が実行できなくなる。
だから、まだ当時赤ん坊だった一刀の、その体組織からクローンを作った。
そのクローンの一体……それが俺。
ナンバー五十五、そう呼ばれた……俺。
一刀の遺伝子を調整され、当時より神秘の石として研究されていた賢者の石、それから作られたというオリハルコン。
アーカムのメイゼル博士が精製に成功したことが裏の世界に流れ、そのサンプルを入手したソ連。
今後その武器が世界を席巻すると予測した科学者達の狂気の計画。
それが親和性を高める調整をされたモルモット……『コピーチルドレン』
そうだ……俺達は、生まれたその日から戦闘訓練を施された。
生まれたその手に最初に握ったのは……親の手ではなく、銃だったのだから。
そして物心ついた時には、すでに訓練施設にいた。
オリジナルである一刀自身もナンバー零として同じ訓練を受ける日々。
そこにいたのは、オリジナルの一刀と『九十九人』の一刀のコピー。
それは俺達が十二歳になるまで続けられ……
最終選考が行われた。
オリジナルである一刀と戦う、その相手の選抜。
それは……コピー同士の殺し合い。
最高の性能を持つコピーと、オリジナルを戦わせ、生き残った方を最強の兵士とする。
それが『兵隊』を育成しようとしたCOSMOSと、そのコピープランの最大の差異。
そして俺は……数多くの俺と同じ存在。
そして、最も俺を慕ってくれていたナンバー五十六を……
『和人』を……殺したんだ。
―― 馬正 side ――
「主ぃっ!」
私がその場に到着すると、そこではまるで闘技場のようだった。
互いの兵が、円陣のように周囲を囲んでいる。
お互いが敵であるはずなのに、誰ともなく戦闘を止め、ただ、その円陣の中で戦う二人の姿を見ている。
そこで繰り広げられている……死闘を。
「………………」
見るものを凍らすような、戦慄さえ背筋に走る笑みを浮かべ、己の武器を構える呂布。
「ハーッ……ハーッ……ハッ……」
息も絶え絶えに、身体の数カ所に
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