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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
反董卓の章
第19話 「「「 負けるな、バカァ! 」」」
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まこちらに飛びかかるのもほぼ同時。

(殴りにくる。それを避けて後頭部に一撃)

 考える前に体が動いて、相手の攻撃を避ける。
 そのまま無防備な頭に、恋の一撃を与えようとする。

 けど、相手はそれを身体を丸めて背中で恋の戟を受け、そのまま前転するように身体を丸めたまま、両足を揃えて蹴りを放ってくる。

 ゆっくりだけど、力強い一撃。
 喰らえば結構痛そう。

 だから恋はそれを避ける。

 伸びきった足へと再度攻撃しようかと思ったけど、こちらを見る相手の目を見てやめる。

(こちらが攻撃する瞬間になにか来る)

 そんな予感がして、そのまま離れた。

「……お前面白い。けど、遅い。本気出せ」

 さっきのような猛烈な殺気はまだ放っている。
 ……たぶん、こいつはまだ本気じゃない。

 まだまだ本当の力を隠している。
 それを出したら恋はもっと楽しい。
 だからこいつにそれを出させる。

 だから言う。

「このままじゃお前負ける。だから本気で恋と戦う」




  ―― 盾二 side ――




 ――本気でこい?

 相手がなにか言っている。
 だが、フラットになった意識の底で呆れるようにそれを『視る』俺がいる。

 すでに身体は自分の中から湧き出す衝動に任せている。
 あの邑での時のように。

 全てが真っ白になるような状況の中で、意識だけが切り離されたような感覚。
 前はそのことを覚えていなかったけど、二度目だからか今はそれを客観視している自分がいるのが判る。

 そう、まるで白い空間の中で大画面のTVモニターを眺めているような、そんな感覚。
 自分の体と心が切り離されて、身体だけが勝手に動いている。

 なら誰が俺の身体を動かしているのか?

 たぶん、本能のようなもの。
 そうとしか思えない。

 けど、呂布は更に本気を出せと言ってくる。

(笑えるな――)

 俺が俺でない状態なら、多分それは百%の本気。
 一切の迷いも、一切の感情もない、ただの機械。

 ここに至って、ようやく自分がなんだったのか判る。

 俺は――御神苗先輩と同じだったんだ。

 あの世界――スプリガンの世界で、御神苗先輩とは違う場所で。
 アメリカ軍特殊実験部隊”COSMOS”の情報を得た、ソビエト連邦のコピープラン。
 その実験体だったんだ……

 COSMOSは御神苗先輩の手によって失敗した。
 それでもソ連のコピープランは実施され……そして朧の手によって、それらは壊滅された。

 俺と一刀はその生き残り……いや違う。

 一刀こそが『オリジナル』だ。

 俺は……その『コピー』。
 文字通りの……
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