反董卓の章
第19話 「「「 負けるな、バカァ! 」」」
[4/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
…ウチらと戦う道を選んだんや!」
「それしか! それしか方法がなかったのだ! 桃香様は三州同盟を結んでいる! その盟主とも言える劉表が参戦する以上、敵対すれば同盟自体が壊れる! その先にあるのはまた戦乱の世だ!」
「………………」
「だからこそ! だからこそご主人様は……戦いながらも様々な工作をして、董卓殿を助ける策を進めている! すでにそれは動き――恐らくは今も!」
「……どういうこっちゃ」
「それは――」
私は口走りそうになって、視界の隅に捉えた人影に、口を紡ぐ。
そこにいたのは――
「――へえ。私も聞きたいわね」
……曹操。
「董卓と仲が良かったあなた達だものね。もしかしたら敵の間者じゃないかって、私でなくとも疑っている人はいるんじゃないかしら」
「………………」
……迂闊だった。
曹操と共同で動いていたのを、一瞬とはいえ忘れるとは。
「水関を自分たちだけで落とすことで疑いを晴らしたのでしょうけど……やっぱり何か画策していたのね。教えてくれてありがとう、関羽」
――ギリッ!
思わず歯噛みし、曹操を睨む。
その曹操は、にこやかな顔で私を見ていた。
「で、その策とやら。詳しく教えてくれないのかしら?」
「……………………」
「あら、どうしたの? 張遼が聞きたがっているわよ?」
……くっ。
「……っ! 曹操!」
声を上げたのは……私ではなかった。
「……何かしら、張遼?」
「これは武人と武人の一騎討ち! そこに入り込んできただけでなく、邪魔する上に味方を辱めるんか! それが曹孟徳のやり方か!」
「あら。劉備とは連合軍ではあるけど、別に臣下ではないわ。それに裏切り者の可能性がある相手を詰問するのが悪いことだと?」
「時と場所を考えんのかい! 武人の誇りを汚すつもりなんか!」
……霞。
お前……誰よりも真相を知りたいだろうに。
私のために……
「武人の誇り……そうね。なら、関羽はその身の潔白を敵将である張遼を討つことで晴らすのかしら?」
「……っ!?」
「曹操、あんさん……」
「あら。私は間違ったことを言っているのかしら? そのつもりで互いに戦っていたのでしょう?」
「曹操、貴様っ!」
「待て、霞!」
馬先を変え、霞が曹操へと馬を奔らせる。
私は制止の声を上げるが――
「せやぁ!」
その刃が曹操に向けられる瞬間、割って入った大剣に防がれる。
「ぐっ……」
「貴様……華琳様に刃を向けたなぁ!」
それは夏侯惇――曹操の右腕。
そして――
「邪魔すん……わっ!?」
霞の馬ががくんと前のめりに倒れる。
慌てて振り落とされかけた霞が、身を捻って地面
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ