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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
反董卓の章
第19話 「「「 負けるな、バカァ! 」」」
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  ―― 張飛 side 虎牢関 ――




「――く殿、翼徳殿! しっかりなされい!」
「…………ぁ…………」

 だ、だれかが……だれかが、鈴々を呼ぶのだ……
 この声、は……

「あ……おっ……ちゃん……」
「翼徳殿! 気が付かれたか!?」

 うう……おっちゃん……み、耳元で煩いのだ……
 目が霞むし、頭がボーッとして……

 うう……なんか、身体が揺れている……気がするのだ。
 鈴々は……どうなったのだ……?

「しっかりなされよ! もう本陣に着きますぞ!」

 ほん……じん?

「朱里殿! いらっしゃるか! 馬仁義ですぞ!」
「馬正さん、いったいなに――り、鈴々ちゃん!?」

 あ……朱里……

「や、やられたのですか!? 鈴々ちゃん、しっかり……!」
「しゅ、り……」

 何をそんなに慌てているのだ……
 そう言葉にしたかったのに、何故か口が動かないのだ。

「治療班をすぐに! 桃香様にも連絡して下さい!」
「朱里殿! 翼徳殿をお願い致す!」

 ようやく、視界がはっきりしてきたのだ。
 おっちゃんが、鈴々を馬から下ろしてすぐにまた馬に乗ったのだ。

 鈴々は……そか。
 呂布に、負けたのだったな……

「馬正さんは……!」
「主が呂布を足止めしております! すぐにも加勢せねば!」

 お、お兄ちゃん……

「おっちゃ……ん。お兄ちゃ……助け……」
「……っ! 承知!」

 こちらを見て頷いたおっちゃんが馬を翻すのと、鈴々の視界が急激に暗くなるのはほぼ同時、だったのだ……




  ―― 孔明 side ――




「鈴々ちゃん! しっかり!」

 私の腕の中で意識を失った鈴々ちゃん。
 頭から血を流しており、顔面は血だらけだ。

「すぐに止血を! あと、全身の打撲の処置を!」

 輜重隊の治療担当者が、木の板を運んでくる。
 それに鈴々ちゃんを乗せ、急いで運びだした。

「孔明様! 御遣い様が戦っているとのこと! 我らも応援に……」
「……でも」

 兵の一人の言葉に、躊躇する。
 この本陣の直衛兵は、あくまで桃香様の身辺警護を目的としている。
 数にしても千程度……

 いざとなったら身を盾にして桃香様を守り、逃がす役目の為。

 それを動かすということは……桃香様の安全を守れなくなること。

「……ダメです。本陣の役割は、あくまで桃香様を守ること。これは盾二様に厳命されています」
「しかし! その御遣い様が今、前線で……一人で戦っておられます! 我ら直衛は黄巾の頃より義勇軍で共に戦ってきた者ばかり! 劉備様も大事ですが……御遣い殿も大事です!」
「…
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