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ソードアート・オンライン 〜白の剣士〜

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「ユイ、さっきの戦いどのくらいだった?」

「脳へのダメージがギリギリのところでした。時間で言うならば一分です・・・」

「そうか、これから少し調整だな」

「おい、シオン」

「ああ、キリトか。お前の聞きたいことは分かってる、とりあえず・・・」

シオンは安全地帯の中にある黒い立方体の石机を見た。

「あそこで話そうか・・・真実を」

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それからユイはすべてを話した。自分がカーディナル、すなわちSAO全体の制御を行っているシステムの開発者が試作したメンタルカウンセリングプログラム、AIであること、プレイヤーの負の感情を蓄積させていき崩壊していったこと、そして俺たちをモニタリングしているときに見かけたこと。

「ある日、いつものようにモニターしていると、他のプレイヤーとは大きく異なるメンタルパラメーターを持つ三人のプレイヤーに気付きました。その脳波パターンはそれまで採取したことのないものでした。喜び・・・安らぎ・・・でもそれだけじゃない・・・。この感情はなんだろう、そう思って私はその三人のモニターを続けました。次第にそれは四人となり、会話や行動に触れるたび、わたしの中に不思議な欲求が生まれました。そんなルーチンはなかったはずなのですが・・・。あの四人のそばに行きたい・・・。少しでも近くにいたくて、わたしは毎日キリトさんとアスナさんのプレイヤーホームから一番近いシステムコンソールで実体化し、さまよいました」

「それが、あの二十二層の森ってわけか・・・」

シオンはエリーシャに支えてもらいながら言った。ユイはゆっくりと頷き、

「はい。キリトさん、アスナさん、エリーシャさん、そしてシオンさん・・・わたし、ずっと、皆さんに・・・会いたかった・・・。森の中で、皆さんの姿を見た時・・・すごく、嬉しかった・・・。おかしいですよね、そんなこと、思えるはずないのに・・・。わたし、ただの、プログラムなのに・・・」

「プログラム、か・・・そんなもん、俺たちも一緒だ」

「えっ・・・?」

シオンは一歩前に出て黒い石机に触れた。

「現実では生身の身体があったとしても、この世界では所詮俺たちはデータの塊に過ぎない。だが、心はある」

シオンはユイの隣に座った。

「ユイ・・・お前の居場所はどこだ?無いなら俺が、俺たちが、お前の居場所になってやる。居場所ってのはそいつが心からいたいと思うから居場所なんだ。お前の、心からいたい場所は何処だ?」

ユイはその言葉に涙を流し、言った。

「わたしは・・・わたしは皆さんと一緒にいたいです!パパやママ、にぃにやねぇねと!!!」

「おし、分かった。
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