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こんな私(俺)の物語
閑話 双紫異変T
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よ。仕方ない。
俺はスキマをこっそり開き、中からメモ帳と鉛筆を取り出した。端から見れば、ポケットから出したように見えるだろう。これからの事を考えて、移動の邪魔にならないよな、リュックも出しておく。乾パンとか水も入っている。
劣化や腐敗がないこのスキマ保存は役に立つ。にしても、ここにきて初めてスキマを開いた時はなんでリュックとか取り出せなかったのかな?まあいいや、一先ず、十日分の食糧はあった。ありがたい。

「助けてくださり、ありがとうございます、少ないかも知れませんが、お礼です。っと、こんなものか」

一緒に一万円札と缶詰を三種類程置いて、ここから立ち去ろうとしたとき、その声は響いた。

「あら、あんた起きたの?」

・・・誰だ?ああ、その台詞からして、俺を助けてくれた人か?

「ああ、すみません。助けてくださってありが・・・」

振り向きながらそこまで言って、俺は言葉を失った。そこにいたのは、腋の部分がない特徴的な巫女、楽園の素敵な巫女、博麗霊夢だった。
いや、待てよ。そもそも駒王町にも霊夢はいる。でも、何か違う。駒王町の霊夢はどこか少しズレがあったが、目の前の霊夢は、ピッタリしている。座るべき椅子に座っているような。

「・・・とうございます。すみませんが、ここは何処ですか?」

「ここ?ここは博麗神社よ」

「ああ、少し違います。この土地は何処ですか?」

「土地?そういうこと。ここは幻想郷よ」

・・・・・・はい?幻想郷?俺は幻想入りでもしたんですか?忘れ去られでもしたんですか?

「ついでに、あなたは外来人よ」

嗚呼、俺は幻想入りしたんですかい。まあ兎に角、こう言っておこう。

「あの・・・意味が良く分からないのですが?」

「ここはあなたが住んでいた世界とは違う世界。あなたはこの世界に流れ着いた人間なのよ」

やっぱりかい。俺は幻想郷にいるんかい。

「はあ、別の世界というのはわかりましたが、それなら武器を売っている場所とか知りませんか?」

「なんでそんなこと聞くのよ」

「いえ、ここに来るまでに大きな熊にあって殺されかけたので、なんとか逃げ切れましたが、自衛のために武器がほしいな、と、思いまして」

「大きな熊に襲われた?ああ、それは妖怪よ。まあ、売ってあると思う店は紹介するけど、妖怪に立ち向かわない方がいいわ。あなたじゃ死ぬわよ」

「そうですか。ありがとうございます。そういえば、なんで俺を助けようと思ったんですか?」

「久しぶりの賽銭だったから、恩ぐらい返そうと思っただけよ。ところで、あんたの名前は?」

困った。俺の名前は八雲紫だ。だけどそんな名前を言える訳がない。偽名を言っておこう。
・・・・・・偽名が思い付かない。・・・一文字しか
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