閑話 双紫異変T
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十七年は、夢なのか現実なのかは不明。スキマは殆ど使えないが、精一杯開ければ人一人は通れる、が、幽々子の元へいくことはできなかった。中には、小型のナイフと、財布。スキマは辛うじて使えるが、境界を操る程度の能力は全くといっていいほど使えない。弾幕は張る以前に撃てない。いつも纏っている概念障壁は機能している。この事から、俺の体験した十七年は現実の可能性が高い。
目的は、まず、自分の現在地を把握する。そこから、周辺住民がいたら、話をきき、これからの方針を決める。
ナイフを腰につけて、俺は登山を再開した。
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かなり登った。周りの木々はまだまだ元気だった。途中途中で、食べられそうな木の実はあった。食料問題はある程度解決したが、次は生命的に危機的な情況になっていた。
水、水分がない。人はだいたい一ヶ月は食わずで生きていけるらしいが、水がなければ一週間で死んでもおかしくないらしい。
今はまだ、水分が多いであろう果物でなんとか補っているが、底をつくのは速そうだ。そうなる前に、頂上に立って、周りを見渡すことにしよう。
ガサガサッ
そんな音がしたから、俺は音の方に向いた。そこには熊がいた。ばかにでかい、緑色の熊がいた。全長五メートルはあるであろう巨大な熊だ。俺は怖かった。文字道理俺は今、何も無い。境界を操るなんてたいそれたことはできるわけでもないし、悪魔みたいに腕っぷしが強い訳じゃない。辛うじて残っている境界の名残と、十七年分の頭脳。
それだけだ。だが、逆に言えば、そんなにも残っている。俺は、死にたくねえんだ。
少しずつ後ろに下がる。俺は今、捕食される側、獲物だ。背を向けたら死ぬ。
「グルウアァァァァ!」
大きく吠えて、その大木のような豪腕を振るってきた!だが、その軌道を読んで、俺はジャンプして、腕にしがみつく!そして、遠心力を利用して、盛大にぶっ飛ばされた。
何度も空を飛んだくせに、今回のフライングはマジで恐い。だけど!俺は死にたくない!着地地点に辛うじて開けるスキマでクッションを作り出す。以外と縁を柔らかくすることは出来た。着地成功。
そして俺は一直線にある方向に走り出す。空を飛ばされた時に見えた、人工的な建物。赤を基調として、されど赤すぎない日本特有の建物。鳥居と聞けばわかるだろう。神社だ。
悲鳴を上げる暇すらねえ。ハードモードはまだ続くようだ。
俺を追ってきている。萎えそうな膝に活を入れて再度走り出す。あー恐い。人は極限状態になると一週して冷静になるものなのかねえ。
転生する前17年。転生したであろう後17年。合計三十四年間
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