暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
友の為に友を討て
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ない。

(くそっ!こうなるならティアの『海域』みてーな一定範囲にかける魔法習得しとくんだった!)

この騒動が終わったら絶対覚えよう、と思いつつ、避け続ける。
無駄に攻撃して外し、また炎を消す事になったら厄介だ。

「さっきから避けてばっかりだけど・・・それじゃあミラを助けられないわよ?」
「うるせぇ!んなこたぁ解ってんだよ!」

大地(スコーピオン)を取り戻してからアルカが戦った相手・場所は手加減不要だった。
幽鬼の支配者(ファントムロード)の巨人の中で戦ったソル。
楽園の塔地下で戦った兵隊達。
戦った、と言っても大丈夫だとは思うが、楽園の塔内での斑鳩。
が、今の相手は一応ギルドの人間。しかもここは自分にとっては第2の故郷。
そんな場所でそう簡単に本気は出せない。

「避けられて鬱陶しいわね・・・だったらこれでどう?」

そう言うと、エバーグリーンは斧を消し、次の手に出る。

「妖精音バンシー!」

その瞬間、一定範囲に妙な音が響いた。
音・・・悲鳴にも近い。

「!」

それを聞いた瞬間、アルカの足が止まる。
否・・・止まるというより、突然止まった。

「何だこれ・・・足が動かねぇ・・・ビクともしねぇ!」
「妖精音バンシーは相手の動きを封じる魔法だもの」

脚だけでなく、腕も動かない。
指1本さえ、動かないのだ。
そんなアルカの前に立ち、エバーグリーンは呟く。

「さあ、私を見つめなさい。美しいものに身を委ねるように」












ギルド入り口にある術式に、新たな文字が浮かんだ。

【エバーグリーンVSエルフマン】
【勝者:エバーグリーン】

【エバーグリーンVSアルカンジュ】
【勝者:エバーグリーン】

「まさか、エルフマンとアルカが連続でやられるなんて・・・」
「ぬうぅ・・・グレイとスバルはビックスローと戦ってやがる。俺も混ざりてぇ・・・」
「雷神衆が動き出したんだ!」

【残り人数:41人】

(ラクサス・・・)
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