友の為に友を討て
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と評価される事もある」
「まぁ、俺は生きて動いているミラの方が美しいと思うけどな」
「!」
後ろからの声にエバーグリーンが振り返る。
そこには、燃えるような赤い髪を風に靡かせるアルカ。
「あら、アルカじゃない」
「・・・悪いな。いま俺はこれ以上ねぇくらいにキレてる」
ぼそっと呟き、漆黒のつり目でエバーグリーンを睨みつける。
「ミラとティアを石にしやがって・・・燃え尽きるか埋められるかの覚悟は出来てんだろうな。ア?」
かつて、この男は赤い悪魔と呼ばれた。
問答無用に悪を燃やし、闇を埋め、ただ純粋に面白くないと判断したものを紅蓮へと葬る。
その純粋に己の欲で動き、欲を満たし、欲を満たせないものは嫌う、その思考や行動は、自分勝手に破壊等を繰り返す悪魔のよう。
揺れる赤髪、燃える紅蓮、そしてその悪魔に似た思考・・・そこからついたのが、赤い悪魔。
「私・・・悪魔は嫌いよ」
「俺は好きだぞ。何てったって、魔人ミラジェーンを愛してるからな」
彼は、しばらく悪魔的思考や行動を消した。
変わらず面白いものを求める性格だが、2年前、大地を失った事で彼は変わった。
が、大地を取り戻した今、アルカの中の悪魔は目覚めようとしている。
「つー訳で・・・」
呟き、跳ぶ。
「ティアの許可は下りてねぇが、手加減しねぇぞコノヤロウ!」
そう叫ぶと同時に、炎の剣を盾に振るう。
ギリギリのところでそれをエバーグリーンは避けた。
「ちっ・・・大火円盤!」
その剣を一瞬にして炎の円盤へと変え、投げる。
円盤も空を切り、近くの建物を燃やした。
「げ・・・マジかよ。消えろ!」
慌ててアルカは炎を操り、消す。
すぐだったからか建物は特に大きく燃えず、アルカは安堵の溜息をつく。
が、油断している場合じゃない。
「妖精斧レッドキャップ!」
「うおっと!んじゃあこっちは・・・大火大槌!」
振り回される斧をひらりと避け、炎のハンマーを一気に落とす。
「んもうっ!服が燃えちゃうじゃない!」
降ってきた炎のハンマーに毒づきながらエバーグリーンは避ける。
今度は道が燃えかけ、アルカは炎を消した。
(マズイな・・・いちいち炎出して消してを繰り返すのは効率が悪い。ここは大地で戦うべきなんだろうが・・・)
宙を回る斧を避けながら、アルカは考える。
(大地は取り戻してから滅多に使ってねぇ。仕事でもつい大火ばっか使っちまうし・・・2年ぶりだが、街を壊さねぇよう手加減できるのか?)
手加減はしない。
が、それはエバーグリーンに対してであり、マグノリアに対してでは
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