Development
第二十三話 Boy meets boy(?)
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だろう。勝ち負けはともかく、彼女に何かしらを伝えられる試合にしないといけない。
まぁ、あとは今織斑君に直接かかわるのは避けたい、というのもあるんだけど。
「……ふん、いいだろう。お前の企みにのるのは癪だが、許可しよう」
あぁ、この人僕の考えてることお見通しなんだよね、忘れてた。
「ありがとうございます」
若干の冷や汗をかきつつも、許可を得られた僕は準備をする。
「いや、まぁ学園としてもお前の模擬戦はプラスになるだろう。ファーストシフトしたお前の専用機のスペックを実際に見ることができるしな。再提出されたデータを見たが、お前がどのように操るのか楽しみにしているよ」
そういえば、こうして模擬戦をするのは本当に久しぶりになる。復学以降は授業も行事もISを使ったものはなく、年度末ということもあり訓練場が上級生に優先的に割り当てられたこともあり、僕自身もシミュレータを使った訓練にとどめていた。束さんのところでのリハビリ中はもちろん、実機を使った訓練もしたのだけれど。
「よし、では行って来い。奴の専用機のことは……まぁこちらで何とかする」
一瞬だけ、姉の表情になった千冬さんが僕を送り出す。
「西園寺紫音……」
奇しくもこの時間は今から丁度一年前、僕が初めて学園生徒の前に『月詠』で出た時と同じ。
そして、紫音からの借り物だった『月読』は、ようやく完了したフォーマットとフィッティングにより本当の意味で僕、紫苑の専用機になった。……もっとも、フォーマット後も消えていない紫音の遺伝子情報を借りて動かせることには変わらないけど。
それでもこれから先、共に歩むことになる僕の専用機になったことは間違いない。その名は……。
「『天照』、いきます」
かつての吸い込まれるような漆黒の装甲は、まるで降り積もる雪のような輝かんばかりの白銀にその身を変えていた。
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