Development
第二十三話 Boy meets boy(?)
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も負けるとはいかないまでもいい勝負になるかもしれませんね」
「なっ!?」
僕の言葉に、オルコットさんは言葉を詰まらせる。次第にその顔が怒りからか赤く染まる。漫画かなにかなら頭から煙が出ていそうな勢いだ。
「わたくしが、あんな素人といい勝負になると!? ありえませんわ!」
「そうですね、見誤りました。……やはり負ける、かもしれませんね」
「くっ!? いいですわ、そこまで仰るのでしたらわたくしと模擬戦してくださいまし! 幸い、今日はアリーナの使用許可が下りていますし、どうせあの男との模擬戦などすぐに終わるのですから!」
その言葉に、僕はふとある考えに思い至る。
これを利用してオルコットさんとの模擬戦を織斑君と彼女の前に入れ込めば時間が稼げるんじゃないだろうか。そうすれば届いたあとの調整や、試運転をしてのフォーマットやフィッティングの時間も作れるだろう。それに、うまくいけば僕と彼女の試合を見て織斑君も戦い方を考えられるし、オルコットさんの慢心を消すこともできるかもしれない。
「……いいでしょう、ただし出来れば先がいいですね。どうやら織斑君の専用機がまだ届いていないようなので、その方が許可もおりやすいでしょう。それとも、戦っているところを彼に見られるのはお嫌ですか?」
「そんなことありませんわ! わかりました、先にアリーナでお待ちしております!」
そう言うや、彼女は走って行ってしまった。
やれやれ、嫌われ役は慣れないな……でも、このまま彼女が織斑君と戦ってもお互いのためにならないし、自分の慢心を自覚してもらわないと。まぁ僕が油断して負けたら笑い話にもならないけど、彼女の専用機の情報も彼女自身の情報もある程度あるし、ここで負けるつもりはない。
先ほどまでの上機嫌だった自分はどこへやら、それでもなんとか笑顔は保ちつつ千冬さんもいるアリーナの管制室に向かった。
「で、どういうことなんだ西園寺」
当然のように説明を求められる。オルコットさんは千冬さんに事情を一方的に話してアリーナに出てしまったらしい。……千冬さんにそんな態度とれるってけっこう凄いことだと思うけど。頭に血がのぼっているとはいえ、ね。
「成り行き……ですね。申し訳ありませんが、許可を頂けないでしょうか。どうやら織斑君の専用機は届いたようですが、まだ調整中ですよね? 私が模擬戦を挟むことでその間に試運転もできますし。オルコットさんは連戦になりますが、そもそも彼女と織斑君では経験などのハンデが大き過ぎますし彼女も了承の上です。それに……二人の今後のためにもこの模擬戦は必要だと私は判断しました」
簪さんを不必要に侮辱されたことに対する私情もゼロではないけど、間接的に織斑君のプラスになるしオルコットさんにとってもいい機会になる
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