Development
第二十三話 Boy meets boy(?)
[7/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
改善の余地はありそうだ。本当によかった……。
当然のように僕はご機嫌で、自然と笑みがこぼれる。外聞もあるから、なるべくいつも笑顔は絶やさないようには心がけてるんだけど、最近はけっこう精神的に辛いものがあったから……。
まぁ、相変わらず教室では話しかけられることもないし、こちらから話しかけても事務的な返事しかこないのだけれど、今までとは違う心構えでいられる分精神的には楽になった。
そんな今日、教室は……というより学園は俄かにざわついている。
1組のクラス代表決定戦が今日行われるからだ。本来であれば、1組の生徒しか観戦できない予定だったのだけれど誰かが去年の僕らの例をあげて無理やり観戦許可を出させたらしい。……いや、誰なのかはもう想像できるけどね、ていうか一人しかいない。
そういえば、去年の今頃も僕たちの模擬戦を前にこんな雰囲気だったなと懐かしい気持ちになる。
そういう訳で、どこか浮ついた空気のまま時間は流れて模擬戦が行われる放課後となった。クラスメート達は席を確保するために我先にとアリーナへと向かう。
僕も簪さんのことで浮かれていたが……どうあっても僕は何かに巻き込まれるらしい。と、いうのも授業が終わったあとに千冬さんに呼び出しを受けてしまった。
なんでも、織斑君の専用機がまだ届いていないらしく時間ギリギリになってしまうとのこと。当然、調整する時間もないので手伝ってもらいたいのだとか。彼女は僕が束さんと開発に携わったことを知っているから、僕の整備能力なども把握しているんだけど……千冬さんにしては珍しく公私混同しているな。
当然、一教師が無関係の生徒に他人の専用機の調整を行わせるなんて問題になるから非公式になる。織斑君の許可があれば別にいいかもしれないけど……できれば今はそこまで踏み込みたくないな。昨日の一件もあるし慎重にいきたい。
とはいえ、状況もわからないし頼まれた手前顔を出さないと……とアリーナに向かう僕に向かって背後から声がかかる。
「ちょっとよろしいでしょうか」
「はい?」
そのまま背後を振り返り声の主を見やると、それは縦ロールの金髪に碧眼の女性……というか模擬戦の当事者セシリア・オルコットさんだった。
なぜ僕にこのタイミングで……何が何でも僕を厄介事に巻き込みたいのだろうか。いや、誰がって言われても困るんだけど。
「セシリア・オルコットさんですね、私に何か御用でしょうか?」
「……ご存知でしたか、光栄ですわ。西園寺さん」
本当になんの用件なんだろうか、正直見当がつかない。それに話に聞いていた印象とは違って、どことなく穏やかに見えるけど……。
「オルコットさんこそ、私のことをご存知なんですね」
「あなたのことを知らない人なんていませんわ。それ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ