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IS<インフィニット・ストラトス> ―偽りの空―
Development
第二十三話 Boy meets boy(?)
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のサポートスタッフも多くいるはずなのに。

 もっとも、楯無さんによると簪さんの場合は操縦者としても優秀らしいんだけどね。ただ、比べる相手がアレなだけで……っていうか楯無さんには僕だって勝ったことないんだし。それに僕も負けっぱなしでいるつもりはないけれど。

 しばらくそのまま視線を交し合ったあと、無言で彼女は顔の向きを戻してしまった。
 それでも、いまだにその頬は赤い。

「……意外と嫌な性格しているんですね」
「あら、私が聖人君子か何かだと思っていましたか?」

 僕だって理由もわからずに避けられたら凹みもするし、ちょっと悪戯したくもなるんだよ。それがきっかけに仲良くなれるかもしれないしね。少なくとも、今回は反応を得られただけでも前進だと思う。
 まぁ、あんまりやり過ぎたら姉が怖いからこれ以上はやらないけど。

「やっぱり……私はあなたのことが嫌いです」
「ふふ、私は更識さんのこと好きになれそうです」

 その言葉にさらに顔の赤みは増し、完全にそっぽを向かれてしまった。その後の会話はいつも通りなかったが、寝る直前に初めて『おやすみなさい』と言ってくれた。素っ気なく気まずそうで、気のせいかと思うくらい小さい声ではあったものの、僕にとってはその後の展望を明るくさせるには十分な一言だった。







 紫苑にとって、一夏とのファーストコンタクトは望まぬ形となった。
 では、一夏にとってはどうなのだろう。
 
 彼はその時、目の前で起きている状況は理解できなかったが目の前で幼馴染が傷ついているということだけは分かった。だから、ただその場に駆けつける。その際に原因の一端を担っていたと思われる対戦相手らしき女性を睨んでしまったのは不可抗力だろう。事前に見てしまった彼女の構えもそれを助長した。

「箒、立てるか?」

 一夏の問いかけに箒は答えることなく、ただ差し出された手には素直に従い立ち上がる。
 すると、先ほどまで対峙していた女性が駆け寄ってくる。

「篠ノ之さん、手当をしましょう」
 
 その言葉に、一夏は戸惑う。
 先ほどの自身の行動を鑑みてだ。そもそも、試合に至った経緯はともあれお互いが構えた状態で行われた試合で、怪我も試合が決した後の箒の無茶な行動からであった。にもかかわらず、彼女はそのことを責めるでもなく箒の怪我の心配を第一にした。
 混乱していたとはいえ、一夏は先ほどの自分を恥じる。 

 目の前では何故か嫌がる箒に無理やり彼女が手当を施す。
 その際の強引な物言いも、箒の心配をしているのだと一夏には伝わった。逆に、なぜ箒が頑なに彼女を拒むような行動をとるのかという疑問もわきあがったのだが……。

「……。あ、ありがとう……ございます」

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