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IS<インフィニット・ストラトス> ―偽りの空―
Development
第二十三話 Boy meets boy(?)
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。同学年っていう立場はあるけど、余計な軋轢を生んでもいい結果にはなりそうもないし、しばらくは生徒会メンバーに任せたほうがいいかもしれない。……信頼できるしね。

「そうだね。なら……僕は簪さんとの関係をなんとかしないとね。お姉さんも気が気じゃないみたいだし」
「妹の心配して何が悪いのよ! 昔は簪ちゃんも、『お姉ちゃん』っていっつも横についてて本当に可愛かったんだから!」

 その後、触れてはいけないものに触れてしまったのか楯無さんの妹自慢が止まらない。数時間に及ぶ妹トークの末、ようやく解放された僕は若干ウンザリしつつ自分の部屋に戻る。

「……」

 その諸悪の根源……という言い方は違う気もするけど元凶ともいえるその妹はいつも通りそっけない。
 チラッとこちらを一瞥しただけで、すぐに目の前のディスプレイに視線を戻して端末操作を続けている。
 
「……学校はお姉ちゃんと一緒じゃなきゃいや」
 
 なんだかその様子に悪戯心を刺激された僕は楯無さんから聞かされた『簪ちゃん語録』の一つを呟く。
 すると簪さんはあからさまにビクッとした様子を見せる。本人は動揺を見せないようにしているつもりなのか視線はそのままでも、手の動きは止まってしまっている。
 ちなみに、これは中学校入学時の言葉らしい。有数の進学校に既に通っている楯無さんに対して簪さんも頑張ってそこに通うと言い張ったそうだ。結果的に偏差値を10近く上げて入学を果たしたらしいから大したものだと思う。

「私もお姉ちゃんに負けない操縦者になるね」
 
 この言葉に再び彼女はビクッとすると、油の切れた動作不良の機械人形のようにゆっくりとこちらに首を回す。
 これは仲が悪くなる少し前、楯無さんが代表になる前の言葉。このころはまだ簪さんは純粋に憧れていたのが言葉から窺える。二人の関係がギクシャクし始めたのはこの少しあと、楯無さんが自由国籍を取得したあたりだという。

 ようやく首が回りきってこちらを向いた簪さんと目があった。動揺が隠しきれなくなったのか若干顔を赤らめながら口をパクパクしている。今まで無表情でいることが多かっただけに、その感情を如実に表している表情はなかなかに新鮮だ。

「もう少し素直になったらどうなのかしら?」

 簪さんは、楯無さんという高すぎる壁に絶望してしまっている。今までは純粋に憧れとして見ていたそれも、自身が比べられる対象となったことで一変した。
 偉大過ぎる姉に対する劣等感。楯無さんに、彼女の演算処理能力や整備能力などは自身を超えるとまで言わしめているのに、簪さんはそれに気付かない。いや、知ろうとしていない。
 それも仕方がない、今の世間はISに関しては操縦能力の一点のみが評価され過ぎている。女尊男卑の流れがその証拠だ。裏方には優秀な男性
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