Development
第二十三話 Boy meets boy(?)
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外れたのか、何か納得いかないことがあったのか困ったように頭を掻きながら唸る。
「なぁ、なんで千冬姉の構えを……」
「一夏、もう行くぞ」
「あ、おいちょっと待てよ」
これ以上、話すことは何もないと言わんばかりに箒さんが織斑君の腕を引き出入り口へと向かう。彼は半ば引きずられるような格好になっている。
まぁ、実際にこれ以上は無理に話しても碌な結果にならない、時間を置いたほうがいいだろう。
「えっと、西園寺さん。俺は織斑一夏! 何があったのかわからないけど、聞きたいこともあるし今度ゆっくり話をさせてくれ!」
「いいから、行くぞ!」
下手に返事をしても箒さんに睨まれそうなので、笑顔を返すに留めた。箒さんは引きずる力を強めたのかそのままズンズンと門をくぐり、織斑君と一緒に出て行ってしまった。
「……はぁ」
「それは何というか……災難だったわね」
道場での一幕のあった日、放課後になったら僕は楯無さんの部屋にきていた。僕がいなくなったことで、彼女は部屋に一人なので、気軽に来ることができる。……いや、女子の部屋に気軽に立ち入るって問題ある気がするけど今まで同部屋だったんだから気にするだけ無駄だよね?
「簪さんといい箒さんといい、知り合いの妹たちにことごとく嫌われてるんだけど……何で? っていうか二人とも姉と仲悪いよね、僕はとばっちり? ねぇ、楯無さんと束さんのせいじゃないの?」
「う……言い返したいけど否定できないわね……」
僕の言葉に珍しく申し訳なさそうな顔をする楯無さん。
言い過ぎな気もするけど、実際その可能性は否定できない。だって二人とも面識ないのに、何故か初対面であれだけ拒否反応をされたのだから。……僕が知らず知らずのうちに何かをやった可能性もあるけど、その場合何をしたらあれだけ嫌われてしまうのだろうか。
「あぁ、本音さんは本音さんでよかった。彼女にまで嫌われたら僕の心は折れてたかもしれない。あの二人はちゃんと姉妹やってるよね〜。それに引き替え……、千冬さんのところも複雑みたいだし楯無さんも束さんも……」
「ち、ちょっと紫苑君? お願いだから戻ってきて!」
いろいろと限界だった僕は一人でブツブツと無意識に呟いていたらしい。楯無さんに声を掛けられながら体を揺らされてしばらく、漸く我に返る。
「……はぁ、でも実際どうしたものかな。とりあえず織斑君には致命的な誤解は受けずに済みそうだったけど、箒さんの手前あまり気軽に接触できなくなりそうだし……」
「まぁ、護衛ってだけなら私たちもいる訳だし急いで無理に接触する必要はないんじゃないかしら?」
それもそうか。千冬さんや束さんのこともあって、自分でどうにかしないといけないっていう固定観念にとらわれ過ぎだったかもしれない
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