第25話 ミンディア星域会戦 後編
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「好機だな、後退するぞ」
ファーレンハイト艦隊は後退において損害らしい損害を受けぬどころか、敵に大打撃を与えてのけた。
こうして、ミンディア星域会戦の第一ラウンドは終了する。
ここまでの損失艦艇は、
帝国軍31852隻
連合軍42770隻
と、両軍合わせて75000隻もの艦艇が失われていた。
* * *
7月16日。
再編成を済ませた帝国軍は再度の攻撃に取り掛かろうとしていた。
「さて、次の先鋒だが……」
「敵は疲弊しています。これまで戦闘に参加していなかったフレッシュな戦力を投入することで敵の疲労を蓄積しつつ、一気に流れを引き寄せましょう」
「なるほど、では後衛に配置していたガーシュイン等5個艦隊を投入するとしよう」
6時15分。
ミンディア星域会戦の第二ラウンドが開始された。
帝国軍の先鋒はガーシュイン、ベルゲングリューン、ビューロー、アルトリンゲン、ブラウンヒッチの5個艦隊。
彼らは先日の戦いには加わらず、後方で待機状態であった。
そのため、ようやく戦場に立てる彼らの士気は高い。
対する連合軍はルフェール第二艦隊を除いたすべての艦隊が先日の戦いに参加しており、内2個艦隊が司令官戦死の上損傷率50%を超えるという有り様である。
「もう少し休ませてくれても良いものを……帝国軍の奴らも気が早ぇな」
バドエルは愚痴を溢しつつも迎撃を命じる。
銀河帝国軍の先鋒約65000隻に対し、迎撃部隊は約70000隻。
これは現時点における連合軍の3割超に相当する数である。
疲れが無く士気も高い帝国軍の12時間に及ぶ猛攻に連合軍は良く耐えた。
特にマイト・アルベイン中将率いるルフェール第二艦隊の活躍は目覚ましく、この第二艦隊と防戦に秀でたユリアヌス艦隊の奮戦が無ければ援軍を投入せざるを得なかっただろう程に、帝国軍の攻撃は苛烈だった。
やがて、帝国軍の第一陣が下がり始めると、各艦隊の間より第二陣であるガムストン、パナジーヤ、ブルーナ、ウィンディルムの4個艦隊が現れる。
それに伴い、連合軍も第一陣の迎撃部隊を下げ、ティオジア軍2個艦隊、ルフェール軍4個艦隊からなる新たな迎撃部隊を投入した。
「敵艦隊、有効射程に入ります」
「よし、砲撃開始!」
戦艦ナグルファルの艦橋で、この第二陣の指揮官であるガムストン元帥は砲撃命令を発した。
ガムストン艦隊の旗艦である戦艦ナグルファルは、新鋭の旗艦級大型戦艦トライデント級の2番艦であり、三又の特徴的な艦形は旧自由惑星同盟軍の戦艦トリグラフを彷彿させる。
これは、このトライデント級戦艦がトリグラフの設計思想や技術を取り込んだ艦である為で、その砲撃力は銀河帝国軍の艦艇で随一
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