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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第232話】
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表情を変えた。

 ……手土産なら気にしなくても良いのだが、シャル的には今内心後悔してるだろう。


「はい、母さん。 ……ここって何処のケーキだ?」

「うふふ、これは【リップ・トリック】ね。 そうでしょ、セシリアちゃん?」

「え、えぇそうですわ。 ……やはり、お母様には解ってしまいますわね」

「うふふ、ここの店の店長さんとは顔馴染みですからねぇ〜♪」


 ……確か、年賀状にも来てたな、リップ・トリックから母さん宛に。

 ……母さんという存在が色々謎に感じてしまうな、こういうのを聞いたり見たりすると。


「うふふ、あなた? 私たちは向こうでいただきましょうか?」

「ん? ……そうだな」


 何かを察したのか、親父は口元を吊り上げてソファーから立ち上がると、一階のリビングの反対側にある客間へと移動した。

 セシリアもシャルも呆然と見ていると母さんがやって来て。


「ヒルト、美冬ちゃんを起こしてきなさいな。 あの子、ケーキに目が無いんだし……ね♪ シャルちゃん、キッチンに四人分の飲み物を用意してあるから入れてくれるかしら? セシリアちゃんはお皿にケーキをお願いね?」

「わ、わかりましたわお母様♪」

「う、うん! ……えへへ、ありがとうお母さん……♪」


 シャルの言ったありがとうは、多分手土産を持ってこなかったシャルの罪悪感を取ろうとしたのだろう。

 ……まあ、母さんの本心は俺にはわからないが。

 栗色の長い髪を靡かせ、母さんはリビングを後にするとセシリアとシャルは言われた通りに準備を行い始める。


「ヒルトさん、美冬さんを起こして来てくださいな」

「そうだよ? それまでに僕たちは用意するから」

「了解〜。 なら二人とも頼むよ」


 そう言い残し、俺は二階の美冬の部屋へと向かった……。
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