暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第二十一話
[8/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ェイトの全力ダッシュに食らいつく程度のスピードを出せるようになったし、急反転もこなせるようになっている。しかし、その機動力に普通に食いついてこれるどころか一瞬でも上回ってみせるこの男の機動力を見て、改めて気を引き締めなおさざるを得なかった。またここまでの戦闘で、長年戦場に身を置いている人間の経験と自信というものは侮れない、と彼は感じている。彼のことについて全く知らない竜二だが、それでも積み上げてきた者特有の雰囲気というものは感じ取っていたのだろう。

『一撃はダメ、このスタイルでの接近戦でもダメ。おまけに遊ばれてる気までしてきよったで。はてさてどうしたものか』
『どうしましょうか』
『どうしようか』
『どうしましょうか』
『……お前そのままオウム返しすんなや。何か考えろ』
『私だって必死で考えてるんですよ!』
『いやそこで逆ギレされても!』
『ならどうしろと!』
『知るかボケェ!』
『ちょ、落ち着いてください主!』
『テメェが始めたんやろがァァアア!』

 などと相変わらずなやり取りをかわしながらも、並行処理している思考は絶対に止めない。止めれば待つのはただ死あるのみ。動物的な反射で体を動かしているように見せても、常にどうやって落とせばいいのか常に考えて戦うことが、彼の死中に活を見出し戦闘者としてさらなる境地へと誘う。竜二はこのままでは埒が明かないと見たかアサルトモードに変更し、軽機関銃、ミサイルポッド、大剣、魔力ブースターという装備を展開。それを見た男は、どこか関心したように声をかける。

「……ほう、先程の姿か」
「まぁちょっと違うけどな。さぁ、続き始めよか!」
「よかろう、かかってくるがいい!」
「後悔すんなやオッサン!行くで!」

 それに竜二が返すと彼は機関銃を構え、そのまま再び高速戦闘となった。お互いが平行移動しながらも、竜二は軽機関銃を連射し、男はそれをスピードを上げてかわす。そしてある程度間合いが開くと、抜剣して剣戟を繰り広げるという展開になっていく。その様子は、まるで見るものを興奮させる熱き舞踏にも見えた。

「おお、やってるやってる」

 するとそこから少し離れた位置に、血塗れとなったフレディが到着する。かなりの人数がいたはずなのだが、その相手をしていた連中がどうなったのかはあえて語るまい。

「へぇ、あの男相手に結構持たせるねぇあの兄ちゃん。成長したって事かな」
「奴さん手加減してるとは思うけど、それでもまぁ及第点はあげれるかな」

 ここでグロウルは吹けもしない口笛をイメージしてヒュウと一呼吸挟む。

「珍しいね、旦那が女の体以外を褒めるなんて」
「潰すぞアンティーク。新人ってのはちゃんと見て、褒めるべきところは褒めてやらなかったら使い物にならんまま死ぬんだよ。その後に
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ