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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第二十一話
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直人と篠宮が一騎打ちに入ろうとしている間、ヴォルケンリッターが闇の書の意思と向き合っていた。
「……お前達も、後は私に任せて、もう休め」
「そういうわけにはいかない。これまではそれでもよかったが、今度ばかりはお前を止める」
シグナムが彼女に立ち会い、静かに言葉を放った。その理由が理解できない彼女は戸惑いながらも剣の騎士に問う。
「何故だ……何故立ちはだかる?私はただ、主の願いを叶えるために今ここに降り立った。お前達も私と同じ、主の望み通りに動く騎士ではないのか?」
「そうだ。お前の言う通り、我らは主のためにある。だから我らはお前を止めるのだ。お前のやろうとしていることを今の主は望んでいない。お前も、書を通して主を見てきたのならば、なぜそれがわからない?」
シグナムが追い詰めようとするが、彼女はまるで聞く耳を持たないかのごとくただ淡々と告げる。
「……将ともあろう者が、戯言を。我々のなすべきことを忘れたか?」
「ならば問い返そう、闇の意思よ。お前の考える我々のなすべきこととは何かをな?」
「お前でさえも私をそう呼ぶのか……」
彼女に向けてシグナムの放った「闇の意思」という言葉に落胆した顔を浮かべたが、すぐに毅然とした表情を取り戻して言い放つ。
「我らがすべきは、我等の主が望みを叶え、悲しみを解き放つこと。それ唯一つだ。我々はそのためだけに生み出された。そのためだけに使われるべきなのだ」
「ならばなおさらだろう。今まで主の一番そばで見てきたはずのお前が、主がどういう人間かわかっていたはずのお前が、なぜその思いを裏切るような真似をする!」
それを聞いたシグナムは即座に叩き返した。語気を強めた彼女の言葉を理解できていないのか、再び戸惑うように問いを投げ返す闇の意思。
「私が主を裏切る……どういうことだ?」
「繰り返して言うが、今お前がやろうとしていることは、今の我らが主が望んでいることではない!主の願いを叶えることが最優先というなら、なぜそれがわからない!」
彼女の言葉から精神が揺れ始めていると見て、シグナムは更に畳み掛ける。本来のプログラムならそのようなことはないのだが、彼女もまた騎士達と同じ存在であるからこそ言葉から崩すことができたといえる。
「戯言を……黙れ!」
「もしもお前が、本当にそれが絶対だと信じるなら、私の話が戯言であると切り捨てるなら、お前の流すその涙は何だ!」
強く言い返す闇の意思だが、シグナムの言う通りいつの間にか彼女の瞳からは涙が流れていた。それでも彼女は気丈に切り返す。
「これは私の涙ではない……主が流された悲しみの涙に他ならない!この世界に絶望なさった主が、救いを得られなかった主が流したものだ!」
「ならば今発せられているはずの主の
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