七 陰謀詭計
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枚を唐突に差し出す火影。その三枚に載っている写真は、今現在音忍として試験に参加している三人の少年少女だった。
「ほら、紅い髪の男の子じゃよ」
「いえ女の子ならいますが男の子は……」
(火影様もそろそろボケてきたのかしら…)
受け取った書類を訝しげに眺めていたアンコは、内心火影が耄碌したのではないかと懸念を抱く。
彼女が手にしている書類の一枚には、[うずまきナルト]と書かれていた。
アンコが眺めている書類…それに載っている名前の持ち主達。
彼らは、今正に巻物に書かれた口寄せの術にて現れた木ノ葉の中忍に第二試験合格を言い渡されていた。
君麻呂と多由也に「すぐ行く」と声を掛け、その場に一人残ったナルトは壁を見つめる。そこには大きな額が掲げられていた。
「―――[天]無くば智を識り機に備え。[地]無くば野を駆け利を求めん。天地双書を開かば危道は正道に帰す。これ即ち[人]の極意……導く者なり――――いい言葉だ」
虫食いになっている箇所をあっさりと当てながら、ナルトは小声で読み上げた。
知識と体力の二つを兼ね備えればどんな危険な任務も正道…覇道とも言える安全な任務に成り得る……その意味が書かれた額を感慨深げに彼は見上げた。
(だがいくら知識と力があっても決定的なものがなければ意味を成さない…)
一瞬ナルトは目を伏せる。尤もそれはほんの数秒の事で、次に顔を上げた彼はいつもの表情で口元に弧を描いた。だがそれは、どこか達観したような笑みだった。
第二試験終了まで残り僅か。
塔の前では、ギリギリだが無事辿り着いた者達が安堵の息を吐き出していた。
ナル・サスケ・サクラの木ノ葉第七班と同行していた薬師カブトは、彼らに別れを告げると塔の中へ入って行く。
「収穫は?」
「ああ。予想以上ですよ…」
突然声を掛けられても悠然とした態度でカブトはその声に答えた。そして七班と同行していた際の出来事を思い出したのか、彼は僅かに口角を上げる。
「第二の試験での彼のデータは全て書き込んでおきましたよ…。コレ、いるでしょ?」
指に挟んだ認識札をすっと手渡す。それを受け取った相手――大蛇丸は再度問うた。
「――で?どうだったの?」
「やはり気になるようですね。大蛇丸様」
「お前の意見を聞きたいのよ。音隠れのスパイとしてのね」
双眸を閉じたカブトは、七班を待ち伏せしていた敵に傷つけられた鼻の傷をすっと指でなぞる。なぞった後には最初から傷など無かったような目鼻立ちの整った顔が笑みを浮かべていた。
「それは必要ないでしょう。全てをお決めになるのは貴方なんですから」
「お前のその賢さ、私のお気に入り…ご苦労」
すぐさま音も無く消える大蛇丸。彼が完全に消えたのを確認し、カブトは眼鏡の
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