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渦巻く滄海 紅き空 【上】
七 陰謀詭計
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べた。
「多由也もありがと。巻物、持ってる?」
「当然だ」
木ノ葉忍びとの揉め事の際、ナルトは自分達の分とドス達の分の巻物を多由也に渡しておいたのだ。懐から取り出した『天地』の巻物二本をこれ見よがしに掲げる多由也に対し、今度は君麻呂がぎろりと彼女を睨みつけた。
「それでドス達は?」
「今頃塔に向かってんじゃねえの?巻物揃えてやったんだ、ここで脱落とかしやがったらぶっ殺す」
不本意ながら巻物をくれてやったんだという態度で、ふんっと鼻を鳴らす多由也。
そんな彼女の様子に苦笑しながら、ナルトは二人を塔の入り口に促した。

「それじゃ、塔に入ろうか」









中忍第二試験の終着点である塔の内部。
そこでは木ノ葉の里長である三代目火影が、第二試験の担当試験官―みたらしアンコの呪印に処置を施していた。

「どうじゃ?呪印はまだ痛むか?」
「いえ…おかげでだいぶ良くなりました」
大蛇丸と対峙したために活性化した呪印。今は鎮静しているようで、アンコの顔色は先ほどより幾分かマシになっていた。
「それにしても…大蛇丸って木ノ葉伝説の、あの三忍の内の一人ですよね。確か暗部ですら手を出せなかったビンゴブックS級の抜け忍でしょ。既に死んだとも聞いていましたが…」
「何故今更この里に…」
アンコの両隣で控えていた中忍二人が逡巡しながら口を開く。彼らの言葉を聞いていたアンコの脳裏に、大蛇丸と対峙した時の光景が浮かび上がった。
「奴は呪印をプレゼントしたと言っていました。誰かは答えませんでしたが、欲しい子がいると…」
「うむ…。おそらく秘伝術を持つ名家の誰か…だが最も可能性が高いのはサスケじゃな」
アンコの言葉に火影は自らの推測を語る。ふぅ〜と煙管から吸い込んだ煙を彼はゆっくり吐き出した。
「あ奴はうちはの血を憧憬する節があった。それと部下集めというのも強ち嘘ではなかろう」
「しかし…それでは大蛇丸と対話していた人物は…?」
アンコの問いに、火影はどこか遠くを眺める。感慨にふける彼の耳に、モニターのつく音が届いた。

<アンコ様!第二の試験通過者、総勢二十四名を確認。中忍試験規定により第三の試験は五年ぶりに予選を予定致します。第二の試験終了です>

ブラウン管ごしにそう告げる試験官。その報告を耳にして火影は再び煙管を蒸かした。
「…とりあえず試験はこのまま続行する。あ奴の動きを見ながらじゃがな。それに大蛇丸と話していた者の事もあるしの」
ふぅ〜と煙管から吸い込んだ煙をゆっくり吐き出す。立ち上る白煙を目で追っていた火影は、ふと思い出したように書類を数枚取り出した。

「ところで少し気になる点があるんじゃが、これを見てくれんか?」
一通り目を通したであろう受験者の名や写真が載ってある中忍試験登録書の三
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