TURN117 カテーリンの来日その十四
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「厳しいっていうか」
「戻ったね、かつての先生に」
「元々はああした人だったのか」
「本当は優しい人なんだ」
ロシアは微笑んでゲーペの実際の性格を話した。
「いい先生なんだよ」
「本当はそうなんだな」
「そう、降伏まではあの石の影響もあって厳しい感じだったけれど」
「戻ったのか」
「そうだよ。ただあの石は」
ロシアは石のことも話した、カテーリンの手にあった石だ。
「何だったんだろうね」
「あれな、本当にわからないよな」
「書記長さんもたまたま拾って何かわからないって言ってるし」
「しかもな、気付いたか?」
「柴神さんだよね」
「あの人、まあ人って言うけれどな」
ここでは便宜上こう表現した。
「何かあの石を見て凄く嫌そうな顔してたな」
「それで砕けた石を回収して何処かに持って行って」
「何か知ってるみたいだな」
「みたいだね、よくわからないけれど」
「あの石のことを知ってるみたいだな」
フランスはこのことを察してロシアに言った。
「それでも俺達が聞いてもな」
「絶対に話してくれないと思うよ」
「だよな、やっぱり」
「うん、謎があるにしてもね」
二人はあの石のことも話した、しかしそうした話はここで終わってだった。
マダガスカルまで回ったカテーリンはソビエトに戻るとすぐにこれまでの政策を大幅に変更した、共有主義は共有主義だが。
「情報を公開してですか」
「ええ、それにね」
ゲーペに対して話す、その政策について。
「個人の財産と貨幣もね」
「復活ですか」
「ただ、貧富の差がない様に累進課税と相続税は高くして」
「消費税ですね」
「高級品には高くかけるわ」
それで貧富の差が出来ることを事前に防ぐというのだ。
「それと複数政党制も導入して」
「宗教者の権利の保障もですね」
「そう、それと給食の献立の種類も増やして」
そちらも改革していくというのだ。
「娯楽もね」
「大幅な規制の緩和ですか」
「どうもこれまでのソビエトの政策は厳し過ぎたみたいだから」
諸国を巡って実感したことだった、カテーリンは過去の自分の政策を省みて眉を曇らせて語る。
「だからね」
「これからはですか」
「そう、共有主義はそのままだけれど」
「情報公開に様々な大幅な緩和に」
「言論の自由もね」
それもだった。
「いいから」
「企業の経営もですか」
「うん、それもね」
経済もだ、その政策を大幅に緩和させるというのだ。
「変えていくから」
「本当に何もかもをですね」
「共有主義は皆を幸せにする思想よ」
このことは認識を変えない、カテーリンの譲れないところだ。
しかしそれと共にだった、反省もして政策を変換させるというのだ。
「厳しいだけじゃそうならないから」
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